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電脳千句第六 賦御何百韻 四折表 2015.7.24~

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そねみとふ悲しきこころ雪解川         花

    陽炎揺れて消ゆる幻            月

   このあたり破れたる笠の捨て処         舎

    手づから植うる一本の苗           衣

   目つむればいつしか母に抱かるる        草

    ふと先の世の繰り言をきき           香

   ほとびたる乾飯のみの朝餉にて         風

    夏行の僧のよろよろと立つ           梯

   人はみな己のうちに木下闇           歳

    夕立つ雲のすこし遠のき            花

   国引の丘より望む海凪ぎて           月

    月に浮かぶは浦のとも舟           舎

   焦がれしをいなおほせ鳥つかはされ       衣

    忘れ扇を美濃の国まで           草 

      


 

 

                      

<進行表はこちら>

 

 


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コメント 51

連歌楽歳

付け句取替

路花さまから付け句の取り替えの連絡をメールでいただきました。転載します。

 童らのごと戯ぶれて雛の宵
 離れ住む子らへの苞に蕨摘む
 媼ふたり膝すりよせて蓬摘む
 訪なへば木の芽摺るらし香りして
 そねみとふ悲しきこころ雪解川

         *

 童らのごと戯ぶれて雛の宵
春 雛の宵 宵は時分に非ず(連歌新式)、非時分・非夜分(産衣) 童(わらべ)は人倫。3裏13に「古人(いにしへびと)」がありますので人倫打越。

 白酒を汲んで戯ぶれ雛の宵

 離れ住む子らへの苞に蕨摘む
春 摘む蕨は草類 木と草(打越に花)は3句隔てる 子は人倫で古人と打越

 媼ふたり膝すりよせて蓬摘む
春 蓬は『連歌新式』では雑、のちに春の季詞、草類(花と打越) 媼は人倫(古人と打越) 膝は人体

 訪なへば木の芽摺るらし香りして
春 木の芽(きのめ、このめ)は俳諧春の季題。打越の「花」(木類)との関係が気になるところですが、「木の芽(きのめ)摺る」で、もはや食べ物になりました。

 そねみとふ悲しきこころ雪解川
春 雪解川は水辺体 冬の暗いわだかまりを春の雪解川に流そうという思い、と作者から解説を頂きました。

「離れ住む」「媼ふたり」の2句は預かり。

 白酒を汲んで戯ぶれ雛の宵
 訪(おと)なへば木の芽摺るらし香りして
 そねみとふ悲しきこころ雪解川

の3句で参りましょう。


by 連歌楽歳 (2016-06-21 19:50) 

連歌楽歳

訂正

 白酒を汲んで



 白酒を酌んで

とした方がよさそうですね。「汲む」だと鯨飲のような迫力が出て、雛の宵の雰囲気と会いませんので。
by 連歌楽歳 (2016-06-21 20:30) 

如月

宗匠さま、皆さま
梅雨の晴間、今日も暑くなりそうです。
たいへん遅くなりまして、いつもながら申し訳ございません。
路花さまのお句は、

そねみとふ悲しきこころ雪解川

を頂戴いたしたく存じます。そう決めてから、付けの難しさに苦しんでしまいました。
宗匠さま、蘭舎さま、一直・差戻し等、如何様にもご指導くださいますよう、お願い申し上げます。

拙次

御身拭して眉のひらかる
陽炎揺れて消ゆる幻
沙子散らしに渡る柔東風
佐保姫の裳を染むるあかとき
やうやうあはく染る佐保姫
杳杳(えうえう)として霞立つ野辺

花の句(晩春)の後に雪解川のお句を選んでよろしいのか、また、初春の気分(やうやうあはく染る)を詠んでよろしいのか迷いましたが、連句とは違ってよいのではないかと愚考しました次第です。
御指導宜しくお願い申し上げます。
by 如月 (2016-06-27 10:58) 

連歌楽歳

 御身拭して眉のひらかる
春 御身拭は古くからの俳諧春の季語 釈教 眉は人体(といっても、この場合、正確には仏像ですが)

 陽炎揺れて消ゆる幻
春 陽炎 元禄のころの連歌作法書『産衣』によると、「かげろう」は雑。「かげろうもゆる」とすれば春。「揺れて」とあるので、「もゆる」に準じて、春。

 子散らしに渡る柔東風
春 風は吹物 5句前の3折裏11に「木枯し」が出ています。吹物(風)は5句去り、ぎりぎりひっかかります。あずかりにします。ところで「子散らし」とは何でしょうか? 

 佐保姫の裳を染むるあかとき
春 佐保姫は非人倫 佐保姫の裳は非衣類 あかときは「あかつき」に同じで、2句物(只1、そのあかつきで1) 連歌の区分では暁は夜分

 やうやうあはく染(む)る佐保姫
春 

 杳杳(えうえう)として霞立つ野辺
春 霞は聳物 野辺は地儀 杳杳(ようよう・えうえう)は字音で、連歌には不向き。白川静『字通』に「杳杳として天低(た)れ……」(蘇軾)。あずかりですね。

   *
享徳二年千句 第七、1折表6から折裏2までに、


さくらさく野に分けや入りまし (桜が咲いているから晩春)
花はまだ枝にこもれる山越て  (前句と対で解釈すると晩春だが、枝に籠れる、ということは初―仲春のケースもありえる)
柴をりそふる日こそなかけれ  (永き日は晩春と『至宝抄』)
かりのこす鳥たちか原のむらかすみ (霞は初春から晩春までと『至宝抄』
雪消の水やうちけふるらむ    (雪解は初春と『至宝抄』)

昔の連歌師は俳諧でいう「季戻り」については、あまり気にしていなかったようです。

ちなみに佐保姫は『至宝抄』では初春です。


by 連歌楽歳 (2016-06-27 23:01) 

連歌楽歳

如月さま

「子ちらし」の件ですが、作業のためノートにコピペしたさい「沙」の字が脱落してしましました。質問はなかったことにしてください。おさわがせしてすいません。楽歳
by 連歌楽歳 (2016-06-27 23:14) 

連歌楽歳

       佐保姫の裳を染むるあかとき
       やうやうあはく染る佐保姫

「染むる」「染る」と、送りがなの不統一に気づきました。
「染むる」で統一します。

by 連歌楽歳 (2016-06-28 11:52) 

如月

宗匠さま、
今回も詳しいご教示ありがとうございました。

連句では季戻りをしないようにと言われてきましたので、季戻りを気にしない連歌は、何となく落ち着かない気持ちにさせられると同時に、構わないというお墨付きをいただくと、寛容さがとても嬉しく、今まで経験したことのない取り合せが新鮮に感じられます。

また、陽炎だけですと無季だったり、佐保姫が初春だったりと、連歌と連句の違いを興味深く拝読し、勉強させていただいております。

蘭舎さま、
拙次、作り直し等も含めまして、よろしくご指導くださいませ。
by 如月 (2016-06-28 20:07) 

蘭舎

楽歳さま、みなさま
七月に入りました。梅雨まっただ中、蒸し暑いことですね。

如月さまの「御身拭」も捨てがたく存じましたが、

陽炎揺れて消ゆる幻   

をいただき、拙次案じてみました。
春、夏、雑と混ざっています。

蝶の来てまひるの夢にとまりけり   蘭舎
このあたり破れたる笠の捨て処
車持皇子(くらもちのみこ)の指(および)のつまむ雲
菅笠の曠野の涯に忘らるる
やごとなき御方の手の指す方に
はつ虹の麓に幸の住むといふ

みだれうちは、くだんの科白になりますが、楽歳宗匠、お次の羽衣さま、何卒よろしくご吟味、ご一直のほど、お願い申し上げます。
蘭舎拝

by 蘭舎 (2016-07-01 18:28) 

連歌楽歳

  蝶の来てまひるの夢にとまりけり      蘭舎
春 蝶は虫類 蝶=は字音ですが、連歌で使ってさしつかえない字音の1つです。和古名は「かわひらこ」 真昼は時分 夢と夢は7句隔てる

  このあたり破れたる笠の捨て処


  車持皇子(くらもちのみこ)の指(および)のつまむ雲
雑 人倫 人体 聳物

  菅笠の曠野の涯に忘らるる
雑 曠野は地儀 菅笠は非植物

  やごとなき御方の手の指す方に
雑 人倫 人体

  はつ虹の麓に幸の住むといふ
春 初虹は俳諧春の季語。『産衣』に虹は非聳物、『連珠合璧集』の分類では「光物」。古典にならって光物としておきます。光物は3句去り 麓は山類


by 連歌楽歳 (2016-07-01 20:26) 

羽衣

宗匠さま 皆さま
七月に入り まるでもうお暑うございます。
この先が思いやられます。
思考停止状態ですが 何卒宜しくお願い致します。

  このあたり破れたる笠の捨て処     蘭舎さま 頂きます。

        付け
    手づから植うる一本(ひともと)の苗(松 柘植 竹・・・)
    さいの目きほふ田舎わたらひ 
    限りある世をたまさかの縁(よし)
    犬の名よばふ何某のまろ
    ゆくりなき風よき便り乗せ
    死出の田長の朝な夕なに(たまさかに鳴く)

ご一直 お差し戻し 何なりと よろしくお願い致します。

取敢えず 皆さま お身体ご自愛あそばされますよう~    

  


by 羽衣 (2016-07-03 18:50) 

連歌楽歳

  手づから植うる一本(ひともと)の苗(松 柘植 竹・・・)
雑 人体 数字 「苗」の大雑把さがよろしいようで。苗は例示に従って木類としておきます

  さいの目きほふ田舎わたらひ
雑 旅(股旅は俳諧の時代に入ってから) 田舎は国郡
 
  限りある世をたまさかの縁(よし)
雑 世は5句物(只1、浮世、世間の間に1、恋の世、前世1、後世1)

  犬の名よばふ何某のまろ
雑 獣類 人倫

  ゆくりなき風よき便り乗せ
雑 風は吹物 

  死出の田長の朝な夕なに(たまさかに鳴く)
夏 死出田長はホトトギスの古い異名。ホトトギスは1句物 鳥類 時分(朝・夕) 「たまさか」より「朝な夕な」の方が景気よく聞こえます。 

by 連歌楽歳 (2016-07-03 21:12) 

羽衣

宗匠さま
昨日のつづきで朝から猛暑となっております。
斯くなる上は土用丑の日を待つばかりでしょうか。

扨、早速のお導き 有り難うございました。
蘭舎さまの蝶の夢、車持皇子の御句等 大変迷いました。
が、あまりに思考停止集中力不足で ちょっと捨ててすっきり致したく
蘭舎さま ごめんなさい~

千草さま おあとよろしくお願い致します。
by 羽衣 (2016-07-04 11:33) 

千草


治定させていただく前に、宗匠様へ御尋ねの儀のありますこと
なにとぞお許しくださいませ。
 
 手づから植うる一本の苗   羽衣さま

和泉式部の軒端の梅を思わせるこちらを頂戴したいのですが、
宗匠様が「苗」を木類、つまり苗木と分類されましたことにつきまして。
連歌の時代、「苗木植う」は雑であったことを念のため
確認させていただきたく存じます。
連句の季語分類表では
「仲春」にございますので。
松、柘植の方がよいということはございませんか。

羽衣さま
わづらはしきことを申し出ましてお許しねがわしく存じます。
六句の御付け句のひとつひとつ
胸ときめかせつつ愉しませていただいております。


by 千草 (2016-07-05 17:28) 

連歌楽歳

「苗木植う」は、季節の問題以前に、連歌で使用された形跡が残っていません。永禄以前(連歌師宗養の没年まで)の連歌作品のすべてと、永禄以後幕末までの主要な連歌作品、あわせて20万句を収めた国際日本文化研究センターの連歌データベースにあたりましたが、皆無でした。中世人の詩的世界の外の「山賤」的生活誌だったのでしょう。連歌では苗は、苗代(春)、早苗とる(夏)など、もっぱら米作関連の季語として使われてきました。

「手づから植うる一本の苗」を「田一枚植て立去る柳かな 芭蕉」を頭の片隅に置いて読めば、苗は早苗のことで夏の句になりますが、私はどうも「一本」が気になって、皇居の田んぼの田植えがちらつきます。前句とのつながりも唐突になりますしね。

付けをなさる千草さまが「松」か「柘植」がお好みであれば、ご遠慮なく。

by 連歌楽歳 (2016-07-05 20:21) 

千草

楽歳様

データベースに作例のなく、中世人の詩的世界の外の「山賤」的生活誌とのご教示ありがとうございました。
 
 手づから植うる一本の苗   羽衣様

原句通り、雑で頂戴いたします。

お正月の子の日の松は引くのに、植えるケースはないのでしょうね。
蟲めづる姫君がいたように、木を植うる姫君もきっといたと思いますけれど。
たとえば時代が違うかもですが角館の枝垂れ桜も最初の苗は都から御輿入れのお姫様の嫁入り道具だったそうですから、最初の鍬入れなど自ら遊ばしたかも。

一方、名園などの作庭にあたって
実際に木を植える職人チームの方からは
指示は受けても、上つ方の手出し口出しご無用の気骨もあったんじゃないかなあという気もしてきました。

推測の「かも」ばっかりですが
上から下からいろいろ限定される連歌の不思議ワールドですね。


 このあたり破れたる笠の捨て処     丁那様
  手づから植うる一本の苗         羽衣様

付け
   懸守小さきみ仏およびほど          千草
   目離れせず生ひ先いつくしみまもり
   目つむればいつしか母に抱かるる
   たまきはる命をなどかうばはれて
   山賤もやすらはまほし法の庭


よろしうお願い申し上げます。
by 千草 (2016-07-06 10:28) 

連歌楽歳

   懸守小さきみ仏およびほど          千草
雑 釈教 人体

   目離れせず生ひ先いつくしみまもり
雑 人体 「目離れせず」とは、どんな状態でしょうか?

   目つむればいつしか母に抱かるる
雑 人体 人倫 述懐(懐旧)かも?

   たまきはる命をなどかうばはれて
雑 命は2句物(只1、虫の命など1)

   山賤もやすらはまほし法の庭
雑 山がつは人倫・非山類 法の庭は釈教・非居所


by 連歌楽歳 (2016-07-06 20:11) 

千草

楽歳様お尋ねの「目離れせず」につきまして。

めかれせず

「疎遠にならずに」という意味で使いましたが、
用法が間違っていないとよいのですが。
by 千草 (2016-07-07 06:58) 

連歌楽歳

千草さま
ご説明ありがとうございました。
めかれせず――そういう言葉があったのですね。
辞書を引くと、「離れ」は「枯れ・涸れ」と同根と説明されておりました。
前句の「一本の苗」をうけて「芽枯れ」とシャレた当意即妙。おあとの用意がよろしいようで。
楽歳拝
by 連歌楽歳 (2016-07-07 11:42) 

羽衣

宗匠さま 千草さま
当方の出番 すっかり完了とばかり 安堵致して居りました。
が只今 ひともとの苗 おかし? 拝読申し上げ 然もありなん とも
存じ 折角の七夕の夜ですので(関係ございませんでしたかしら)
お目汚し仕ります。何卒ご寛容の程お願い申し上げます~
  
苗 でお取り上げ頂きましたので そのようなものかと存じましたが
木類 とのご分類 多分 植物ということと存じました。
稲の苗 では勿論ございませんが 当方の意図する 苗 は所謂
草花の苗 でございましたが・・・どちらでもいいかな~と
枕草子 でも 草は とか 草の花は とか 古来より 人々の興味
関心をあつめて参りましたが 雅びと(都びと)の価値観には当然
なじまないものでありましょう。 まして手づから植えるなんて!

そこをお採り頂きました千草さま 現代連歌への希望です。
目離れ も専ら恋とばかり思っておりましたが そういう小さきものへの
いつくしみにも使うのですね。
この度も お蔭様でたくさん学ばせて頂きました。
いつもながら有り難うございました。

そして七夕 今年も結局 どんみりな七夕でした~





  
    

by 羽衣 (2016-07-08 00:49) 

千草

羽衣様
「芽枯れとシャレた」
は、宗匠のおたはむれで、
「目離れ」そのものはやはり恋の詞ではないかと思います。
でも、対象が植物で、人でなければ恋句にはならないということかもしれません。
羽衣様は、苗に括弧して松・柘植・竹とされまして、いづれも土地を祝福するもの。
自らも地に根を下ろす人なのね、すてきと思いました。

付けました拙句は、気温のアップダウン(いつものこと)に翻弄されて
とりとめないことですが
遊香様、
どうかよろしくお願い申し上げます。
by 千草 (2016-07-08 09:49) 

遊香

遅くなりました。選挙、開票が済んでぼーっとしております。
もやもやと愚痴っぽくなり、こんなことなら投票日前に句を作ればよかったと悔やんでいます。すみません。

目つむればいつしか母に抱かるる

いただきまして 付

ふと先の世の繰り言をきき  遊香
言いかはしたる舟出のときか 
問はれる道の選り難しや
遅ればせとは定めぬものを
出湯につかりはだへ新し 

楽歳さま、梢風さま、どうぞよしなに、お願い申し上げます。

by 遊香 (2016-07-11 17:30) 

連歌楽歳

  ふと先の世の繰り言をきき      遊香
雑 世は5句物(只1、浮世・世間の間に1、恋の世1、前世1、後世1)「先の世」は後世の変形でしょう。先の世の繰り言は、未来からの繰り言で、時間の流れが逆転した「述懐」になります。先ごろの英国のレファレンダム、先日の日本の参院選。未来からの繰り言をはっきりと聞いた人も少なくなかったでしょう。

  言いかはしたる舟出のときか
雑 旅 舟は水辺体用外 言いかはしたるが効いて句意、恋。あいにくと、4折表第1句(5句前)に雪解川(水辺体)がありました。水辺と水辺は5句去り。預かりにします。修正有ればご連絡を。
 
  問はれる道の選り難しや
雑 選ぶ対象の道は、往来なのか、かつてのイギリスの第3の道のような政治路線なのか、それとも仏道なのか、あるいはまた? 解釈は付け句作者にお任せします。

  遅ればせとは定めぬものを
雑 前句とのつながりをはじめ、句の解釈は付け句のご担当に一任。コーディネーターは状況を把握しかねています。

  出湯につかりはだへ新し
雑 泉が水辺体なので、出湯(温泉)も水辺体。 はだへは人体 前句を受けて、温泉に浸かる母子か、長じて長恨歌の美女のように育った人の追憶か。これも5句前の雪解川と抵触します。ともに水辺ですが、川と出湯なら4句離もれていればダブリ感はないように思われる一方で、湯河原・川原湯など濃密なつながりがあるようにも思われます。これもあずかり。修正有ればどうぞ。

by 連歌楽歳 (2016-07-11 22:17) 

遊香

おはようございます。

ブログが故障(老朽化?)ということがあるのですね。
テンプレートが新しくなって、前日のもやもや気分も少し明るくなりました(笑)。

水辺体の重なり、気が付かなくてすみません。
「出湯…」は、リラックスして心機一転の意をこめた唯一前向きな句(笑)でしたが、お風呂以外のシチュエーションが浮かばず、諦めます。

「遅ればせ…」は、母への回想の中で、生まれて以来、あの時だってこの時だって何とか策を講じてきた、手遅れと決まったわけではない…のつもりでしたが、舌足らずでした。

梢風さま、何とかつないでいただけましたら幸いです!

by 遊香 (2016-07-12 08:59) 

梢風


 ふと先の世の繰り言をきき      遊香

    付

たひらかなすぎはひとなるいえゐなり  梢風
ほとびたる乾飯のみの朝餉にて      〃
吹く風に思ひ出さるる返り事       〃

○ふと先の世の繰り言をきき、いいですね。「この世のどこにもない場所にかなしみの雨ふる」と歌った詩人、だれでしたっけ。つないでみたいという気になりました。楽歳さまよろしく御吟味下さい。   
by 梢風 (2016-07-15 08:07) 

連歌楽歳

 たひらかなすぎはひとなるいえゐなり  梢風
雑 「いえゐ」は「いへゐ(家居)」=居所でしょうか? 「すぎはひ」は生業のこと。漢字化すると「平かな生業となる家居なり」でよろしいでしょうか?
 
 ほとびたる乾飯のみの朝餉にて     
雑 飲食(乾飯、朝餉) 時分(朝)
 
 吹く風に思ひ出さるる返り事       
雑 述懐 風は吹物 「返り事」は辞書によると、①使いの者の報告②もらった手紙や和歌への返事③贈り物へのおかえし。


by 連歌楽歳 (2016-07-15 15:29)
by 連歌楽歳 (2016-07-15 16:54) 

梢風

楽歳さま、「いえゐ」→「いへゐ」です。「ゐ」の変換に気をとられました。
 
by 梢風 (2016-07-15 18:42) 

連歌楽歳

夢梯さまから「おそくなりました」とお詫びつきで、
次の付け句をいただきました。

    *

梢風様の

  ほとびたる乾飯のみの朝餉にて    梢風

をいただき、

4折表8付け

  うなぎ採らむと竹籠を編み      夢梯
  葎の宿をそのまゝにして
  土用灸据ゑまた旅に出る
  ひさごの米も軽くなりゆき
  ひさごの花の軒をかざれる
  夏行の僧のよろよろと立つ

     *

by 連歌楽歳 (2016-07-28 20:23) 

連歌楽歳

  うなぎ採らむと竹籠を編み      夢梯
夏 鰻は魚類 古典連歌では「鰻」は句材に使われなかったようです。鰻の蒲焼という調理法は江戸時代になってから。桃青時代の芭蕉の五十韻「鷺の足の巻」の第35句に「鰤は諌め鰻は胸を割ける」(才丸)がありますが、『連歌俳諧集』(小学館・日本古典文学全集)の頭注は、「鰤で冬」とし、魚としての鰻は雑の扱いでした。ウナギが蒲焼と一体化して夏の季語になるのはもっと後のことなのでしょう。しかしながら、この句においては、鰻は夏が似合います。

  葎の宿をそのまゝにして
雑 「葎の宿」は連歌では雑、草類・居所

  土用灸据ゑまた旅に出る
夏 土用灸は俳諧夏の季語 連歌で使うには土用の読みが気になるが、連歌も時に字音を使って俳諧味を楽しむことがあります。旅

  ひさごの米も軽くなりゆき
雑 什器としてのひさご(ひょうたん)なので雑。

  ひさごの花の軒をかざれる
夏 ひさごの花=夕顔は連歌の時代から夏。 草類 軒は居所

  夏行の僧のよろよろと立つ
夏 夏行(夏安居)と僧は釈教。僧は胡蝶・芭蕉・屏風などと同様、字音であるが慣用語として連歌で使ってきた。夏行については、諸本に言及がないが、このさい、毒を食らわば皿まで。僧は人倫。


by 連歌楽歳 (2016-07-28 21:54) 

連歌楽歳

●4折表8に、

  夏行の僧のよろよろと立つ    夢梯

をいただきまして、

●4折表9付け

  流れくる祇園会(かみのそのゑ)のさんざめき   楽歳
  かた思ひまぶしき空に雲の峰
  人はみな心のうちにさつき闇

      *

  流れくる祇園会(かみのそのゑ)のさんざめき   楽歳
夏 祇園会(毛吹草の連歌四季之詞・末夏に「かみのそのゑ」とルビ) 神祇

  かた思ひまぶしき空に雲の峰
夏 恋 雲の峰は聳物 空は天象 

  人はみな心のうちにさつき闇
夏 人倫 さつき闇は非夜分 

by 連歌楽歳 (2016-07-28 23:48) 

路花

今朝は激しい雨の音に目覚めましたが、カーテンを開ければ太陽の光が眩しく……奇妙な天気でした。
暑くなりました。皆様にはくれぐれもご自愛くださいますよう。

遅くなりましたが、4折表10付けです。

楽歳様の
  人はみな心のうちにさつき闇
をいただきます、

 亡き送りしは蝉の生るる日
 近く来たりて消ゆる蛍火
 主なき宿に虹の立つ見え
 夕立つ雲のすこし遠のき

相変わらずの拙句ですが、どうぞご指導くださいませ。
by 路花 (2016-08-02 11:23) 

連歌楽歳

 亡き送りしは蝉の生るる日
夏 蝉は虫類・1句物 「亡き送りしは」どのような状況でしょうか? この巻の発句に「空蝉」がでています。「空蝉」には①セミの抜けがら②蝉そのもの、の2つの意味があり、発句の場合、どちらの意味でも詩になります。発句の注に「1句物」と書くのを忘れたため、ダブリとなりました。削除させていただきます。あしからず。

 近く来たりて消ゆる蛍火
夏 蛍は虫類・1句物 「火」は4句物ですが、「蛍火」はまた別に。 

 主なき宿に虹の立つ見え
夏 「虹」は『連歌新式』などには言及がなく、元禄のころの『産衣』に「一句物、聳物に非ず」と出ています。『増補俳諧歳時記栞草』にも虹は見当たりません。雑だったと思われます。夏の季語になったのはおそらく明治以降でしょう。 夏・夏と続いてきましたの、ここも夏ということにいたします。主は人倫 宿は居所 打越(4折表8)句に「僧」がいて、前句に人、人倫3連続は人倫打越になります。しかし「主がいない」という意味なので、人倫の存在感は希薄であるとの見方もでき、このさい打越は問題にしないでおきましょう。連歌では人倫は2句続けることが許されていますが、(俳諧と違って)人倫の打越は嫌います。

 夕立つ雲のすこし遠のき
夏 「夕立つ」は降物 時分 雲は聳物

夏の句が3句続きました(連歌では夏の句は連続3句まで)。

       *
お待たせしました。山中湖へ行っておりましたので、少々遅くなりました。

標高1000メートルで涼しかったのですが、雨がしばしば降って、林の中は湿っぽかったです。


by 連歌楽歳 (2016-08-03 19:39) 

連歌楽歳

申しおくれました。

確認したところ、「夕立」(ゆうだち、名詞)は一座1句ものでした。動詞形の「夕立つ」もこれにならって1句ものと考えるのが妥当と思います。

by 連歌楽歳 (2016-08-03 23:51) 

如月

宗匠さま、皆さま

おはようございます。
原爆忌かつリオデジャネイロ・オリンピック開会式と、盛りだくさんの朝です。

夕立つ雲のすこし遠のき 路花さま

を頂戴いたしたいと存じます。

拙次

国引の丘より望む海凪ぎて
国境なす小流れに脛浸し
燭(ともしび)をひきよせ展く草双紙
家居へと急ぐ跫をちこちに

相変わらず凡句ですが、ご指導よろしくお願い申し上げます。
今日も猛暑が続くようです。皆さま、お大事になさってくださいませ。




by 如月 (2016-08-06 09:50) 

連歌楽歳

  国引の丘より望む海凪ぎて   如月
雑 丘は山類体 海は水辺体 国引きの丘は国郡(名所とするにはやや非力)で、本説・出雲風土記。 夕立雲→八雲立つ→出雲の連想でしょうか。ともに遠景ながら視線は空から海へ移動。

  国境なす小流れに脛浸し
雑 国境は国郡 小流れは水辺体 脛は人体 中朝国境の豆満江には歩いて渡れる所もあるそうです。前句の遠景から近景へ

  燭(ともしび)をひきよせ展く草双紙
雑 燭は夜分 前句の夕時分から夜分へと時刻の推移。「草双紙」の響きが気になりますが、江戸時代の出版物の名称であり言い替えが難しいので、イエローカードをつけるだけにしておきます。最終判断は付け句作者におまかせします。

  家居へと急ぐ跫をちこちに
雑 家居は居所 

          *
ついでながら、
  <4折表9> 人はみな心のうちにさつき闇  楽歳
を、
    人はみな己のうちにさつき闇  楽歳
と修正いたします。4折表第1句に「こころ」があり、3折裏3にも「心」が使われているためです。


by 連歌楽歳 (2016-08-06 13:57) 

如月

宗匠さま(皆さま)

先ほど送信したのですが、アップされなかったようです。
また書いてお送りいたしますが、重複した場合はご容赦くださいませ。

草双紙はレッドカードかもしれないと思いましたが、言い換えも思い付かないまま、付けさせていただきました。イエローカードにしておいてくださいまして、ありがとうございました。

国引き神話の地が名所とまでは言えないということ、面白いことです。名所となると、やはり歌枕とか、文学に深く結びついている土地であることが重要なのでしょうね。

夕立つ雲の雨の柱が移動する雄大な景色を想像していたら、雲関連で、国引き神話を連想したような次第です。

実は当初、「…消ゆる螢火」のお句に心惹かれていましたが、少し前に「…消える幻」があったため、断念したのでした。すでに10句くらいは離れていますので、こういう場合は気にする必要がなかったでしょうか。
おついでのときにでも、ご教示いただけましたら、幸いです。
もちろん、選句に変更はございません。

では、良い週末をお送りくださいませ。
by 如月 (2016-08-06 16:13) 

蘭舎

いつしか暦は秋へ。こんなに暑いので、秋とは思えませんが、夕方、朝方啼くかなかなの声ははかなげで、秋なんだなと少し感じさせてくれます。皆様、おげんきですか?
オリンピック、始まって、なんとなく落ち着かない気分でもあります。

如月様の御句、脛を浸す涼しげな国境の景にも惹かれ迷いましたが、一番目の大景をいただきます。と申しましても出雲風土記や神話をよく存じませんので、拙次、かなりたよりないのですが、どうぞ、よろしく御願いいたします。

国引の丘より望む海凪ぎて   如月

付け
浪をまくらによこたはる舟   
文待ちをれば舟の音する
つれづれなるまま文かきちらし
月に浮かぶは浦のとも舟     
月かげになほあはれまされり
こよいの月にうかれいでけり

月も混ぜてみました。
楽歳宗匠、羽衣さま、何卒よしなに。 蘭舎拝

by 蘭舎 (2016-08-07 07:45) 

連歌楽歳

 浪をまくらによこたはる舟
雑 浪は水辺用・舟は水辺体用外 枕は夜分 「よこたはる舟」となるとさしずめ難破船でしょうね。
   
 文待ちをれば舟の音する
雑 文は3句物(恋1、旅1、文学1。前句とのつながりから判断すると多分、旅の文) 舟は水辺体用外

 つれづれなるまま文かきちらし
雑 文は3句物(恋1、旅1、文学1。前句とのつながりから判断すると多分、文学の文)
 
 月に浮かぶは浦のとも舟
秋 月 光物 夜分 浦は水辺体 友船は水辺体用外
     
 月かげになほあはれまされり
秋 月 光物 夜分 

 こよいの月にうかれいでけり
秋 月 光物 夜分 こよひ(今宵)は『連歌新式』では、非時分。『産衣』には「時分に非ず、夜分に非ず。夜の字に5句嫌う」とあります。どういう理由なのでしょうね。

     *

如月さま
「消ゆる幻」「消ゆる蛍火」の件ですが、動詞「消ゆ」の連体形+名詞の形が同じ面で繰り返されることが気になるかどうかは、各人の感覚・好みにゆだねることがらでしょう。進行中の連歌百韻は『連歌新式』を基本ルール―ブックとしています。行程表のない連歌の展開が乱調へと突っ走らないようにする歯止めが、輪廻・遠輪廻・去・嫌などの式目のしばりです。式目の中に上記の連体形+名詞の反復については記述がありません。「消」の字については5句離れているので式目上は問題ありません。


by 連歌楽歳 (2016-08-07 12:41) 

連歌楽歳

<訂正>

羽衣さまからメールで、第9句に「人はみな己のうちにさつき闇」があるので、4折表では以後、月が出せなくなります、とご指摘を頂きました。なるほど、ひらがなで「さつき闇」と表記しても、こころは「五月闇」ですから、月と月次の月の関係になって、同字5句去りのルールが適用されます。とんだヘマを致しました。

そこで、
  人はみな己のうちにさつき闇
を、
  人はみな己のうちに木下闇
(夏 人倫 木類)
と、訂正します。

4折表4に「手づから植うる一本の苗」があり、苗と木下闇は中4句で、木類同士の5句去りの原則に障りますが、『精選版日本国語大辞典』には、草本植物のものを「苗」、木本植物のものを「苗木」という、とあります。草本植物はいわゆる「草類」で、連歌式目では「木に草」は3句去りになります。

なお、進行表では「苗」を木類の苗と解釈していましたが、草類の苗に訂正します。前後に目を凝らすと、5句前の3折裏13に「この花に古人の声を聞く」(花は木類)があり、草の苗と解するのが妥当でした。どうも、いい加減な話ですいません。
楽歳

by 連歌楽歳 (2016-08-07 23:20) 

如月

蘭舎さま、
治定ありがとうございました。
すてきな月ものぼったご様子ですね。

宗匠さま、
拙次へのコメントとご教示ありがとうございました。

質問の件につきましては、同字の式目に抵触せず、同種文のタブーについての言及はないため「各人の感覚・好みにゆだね」られる事柄であるとのこと、たいへん良くわかりました。
連歌で「各人の感覚・好み」の問題と断言していただけたのが、とても新鮮に感じられて、変な言い方ですが、連歌でも個人の裁量が認められる部分がある――当然なことですのに――ということが確認できたようで、嬉しい気分です。

路花さまの「・・・消ゆる螢火」のお句が何処かで生きますよう、願っております。
頂戴した夕立雲のお句は、昨今のゲリラ豪雨の雨柱を彷彿とさせ、迫力と現実感たっぷりでした。

暦では秋が始りましたが、暑さの本番はさらに続いてゆくことでしょう。
皆さま、ご自愛専一にお過ごしくださいますよう、お祈り申し上げます。
by 如月 (2016-08-08 00:19) 

羽衣

宗匠さま 皆さま
はや秋も立ち 本日は陛下のお気持ちも拝聴致し
それぞれの御感慨も弥増せる頃とお察し申し上げます。
平成の御世 もう少し続いてほしいのですね~
扨 誠に恐縮の極みでございました。
とんだ藪蛇でしたが 沢山のご教示をいただきました。
誠に有り難うございました。

四折表 十二句目
    月に浮かぶは浦のとも舟     蘭舎さま 頂きます。

        付け
    然らぬだに泪(涙)が露の衾なる(り)
    かりそめを染めにし恋のいろ色鳥
    菊酒をたよりに深き(浅き)えにしなり
    焦がれしをいなおほせどり(稲負鳥 否仰せ)つかはされ

トホホ藪蛇でようよう 毛吹草連歌四季の詞で果敢?にも恋句挑戦!
別に 恋でなくてもよいのでしょうが 何故か恋が足りない気がして~
なにとぞご一直 お差し戻し お捌きのほど よろしくお願い致します。

お暑い最中 皆さま ご自愛遊ばされますよう~



by 羽衣 (2016-08-08 21:26) 

羽衣

宗匠さま 皆さま
はや秋も立ち 本日は陛下のお気持ちもご拝聴申し上げ
それぞれの御感慨も弥増せる頃とお察し申し上げます。
平成の御世 もう少し続いてほしいですね~
扨 誠に恐縮の極みでございました。
とんだ藪蛇でしたが 沢山のご教示をいただきました。
誠に有り難うございました。

四折表 十二句目
    月に浮かぶは浦のとも舟     蘭舎さま 頂きます。

        付け
    然らぬだに泪(涙)が露の衾なる(り)
    かりそめを染めにし恋のいろ色鳥
    菊酒をたよりに深き(浅き)えにしなり
    焦がれしをいなおほせどり(稲負鳥 否仰せ)つかはされ

トホホ藪蛇でようよう 毛吹草連歌四季の詞で果敢?にも恋句挑戦!
別に 恋でなくてもよいのでしょうが 何故か恋が足りない気がして~
なにとぞご一直 お差し戻し お捌きのほど よろしくお願い致します。

お暑い最中 皆さま ご自愛遊ばされますよう~



by 羽衣 (2016-08-08 21:31) 

羽衣

最初の送信 エラーとのことで 再送信致しました。
可能でございましたら はじめの分 ご破棄いただきたく
よろしくお願い申し上げます。
by 羽衣 (2016-08-08 21:38) 

羽衣

最初の送信 エラーとのことで 再送信致しました。
可能でございましたら 初回の分 ご破棄いただきたく
よろしくお願い申し上げます。

これもまた コメント投稿に失敗しました とのこと
パソコン不調です。お許しください。
by 羽衣 (2016-08-08 21:44) 

連歌楽歳

 然らぬだに泪(涙)が露の衾なる(り)
秋 露は降物 衾は寝具で夜分 涙は恋の常套句、衾もあって決定的に恋の句 泪より涙がわかりやすく、「なり」の終止形より「なる」の連体止めが響きに情緒がある気がします。3句前に「夕立つ」(降物)があります。降物同士は3句隔てる。「露」の代替案をふくめご検討下さい。

 かりそめを染めにし恋のいろ色鳥
秋 恋 鳥類 色鳥は連歌新式のころから秋の季語です。いろいろの鳥という意味ですが、「いろ色鳥」だと、季語になるうるのかどうか、議論が生じるでしょう。

 菊酒をたよりに深き(浅き)えにしなり
秋 恋 菊酒は飲食物 菊酒の菊はおそらく非草類でしょう(重陽の節供に使う酒) 深き契・浅き契は恋の言葉ですが、「縁」も句意から同類でしょう。恋の深酔いか恋の浅酌か、「深浅」ちょっと決めかねますね。

 焦がれしをいなおほせどり(稲負鳥 否仰せ)つかはされ
秋 恋 いなおほせどりは古今伝授の謎の秋の鳥ですが、「否仰せ」とは新説ですね。鳥類

by 連歌楽歳 (2016-08-08 23:48) 

羽衣

宗匠さま
猛暑のなか 大変お世話になりました。
毛吹草 には 衾、露と結べば 秋 とございましたので
お障りになるようでしたら 取り下げます。
唯一自宅にございます 連歌俳諧集の貞徳独吟 うたいづれの巻
34句目に いろ色鳥の汁のすひくち よりお借り致しました。
頭注には 「いろいろ」と色鳥の掛詞、色鳥 秋 とございました。
何分 苦し紛れの策ゆえご失笑いただけましたら幸いです。
有り難うございました~

千草さま
お暑い最中ですが 何卒よろしくお願い致します。
ウッドタッチ! 活用させて頂いております。

問題なく送信できますように~
皆さま お身体 お大切に~
by 羽衣 (2016-08-09 12:46) 

連歌楽歳

衾も布団も現代の季寄せでは冬の季語になっていますが、
  
 ふとん丸げてものおもひ居る  芭蕉
   (炭俵・空豆の 第18句)

注釈によると「ふとんは雑」の扱いです。

また、衾(ふすま)も、連歌では、

  なこやかなれや春の行道
 仙人はぬはぬ霞をふすまにて
  花の香送る風はいとはし
 (証院会千句第6)

  をしの羽音や露払ふらん
 身に入て古き衾をしたふよに
  今より月も誰とかはみん
  (池田千句第1)

のように、「無季の衾」になることが稀ではありませんでした。

「いろ色鳥」は貞徳の語呂合わせでしたか。「いろ/色鳥」で秋。それも理屈ですね。


by 連歌楽歳 (2016-08-09 15:24) 

千草

残暑お見舞い申し上げます。


  月に浮かぶは浦のとも舟       蘭舎さま 
 焦がれしをいなおほせどりつかはされ  羽衣さま

羽衣さま
古今伝授の三鳥のひとつ、めったに御目にかかれるものではなく
稲負鳥をうやうやしく頂戴いたします。
御見事な掛け言葉の妙味に惹かれました。
一方
いろ色鳥の御付けも捨てがたく、拙次に
再登場と申しますか、勝手にお借りしましたこと、くれぐれもお詫びいたします。
また、著名らしい古典からも本歌取りいたしました。

なお、ウッドタッチではなく、タッチウッドでございますこと
申し添えさせてくださいませ。

付け

  櫛の嘆きは露の世のこと   千草
  つくねんとささ見れば鯖雲
  忘れ扇を美濃の国まで
  刈安ならでかりそめに染め
  夢になにかはなぐさまむ秋

宗匠様
なにとぞよろしくお願いいたします。
by 千草 (2016-08-09 21:47) 

羽衣

宗匠さま
重ねての衾 布団 のご教示、
どちらも 超のつく素晴しいお手本を
誠に有り難うございました。
 仙人はぬはぬ霞をふすまにて
無季なればこそ! 最高ですね。

千草さま
さっそくに いなおほせ鳥 ご採用 忝く存じます。
何かと恐れ入りました。
ウッドタッチ!と唱えておりましたが タッチウッドでしたか~
それで逆効果だったのかしら? 鉛筆握って ウッドタッチ!
ウッドタッチ! と申しておりました。
誠に失礼致しました。何卒おゆるしください~

by 羽衣 (2016-08-10 02:36) 

連歌楽歳

  櫛の嘆きは露の世のこと      千草
秋 露は降物 世は5句物(只1、浮世・世間の間に1、恋の世1、前世1、後世1、露の世は浮世・世間の世にあたる) 櫛を女の髪にさせば求婚、投げ捨てれば離婚と辞書にありましたので、恋の句。

  つくねんとささ見れば鯖雲
秋 鯖雲は聳物 「ささ」は「笹」、「酒」、「ささ」(間投詞)などが考えられます。「笹」の場合ふられ人の虚脱の姿、あるいは隠者の日常。「酒」の場合、つくね→酒→鯖、の言葉遊びが成立。間投詞の場合、うつむいていないで、ささ、顔をあげて、きれいな秋の鯖雲をご覧なさい、というはげましの状況設定になります。

  忘れ扇を美濃の国まで
秋 忘れ扇(『連歌新式』では、最初、扇を置くは句の形によっては秋、とされていたが、肖柏の時代に、おおむね秋となり、俳諧の時代になって捨てる扇も忘れる扇もみな秋になりました。元禄のころの連歌作法書『産衣』でも扇置かぬ、扇すつる、は秋。美濃は国郡 扇と美濃の関係をあたると、能の「班女」が出てきました。班女は本説、君主の寵愛を失った班という女性をめぐる中国の物語で、男の愛を失った女を「班女が扇」「秋の扇」と言ったそうです。そういうわけで、句意は恋。

  刈安ならでかりそめに染め
秋 狩安は俳諧の時代が始まったころからの秋の季語、イネ科の秋の草。黄色の染料がとれます。刈安と刈初め 初めと染め、が語呂合わせ。

   夢になにかはなぐさまむ秋
秋 夢は夜分で第12区の夜分(月)と打越。白日夢とみなす手もありますが、すると、ちょっと怖い句になります)

    *
焦がれしをいなおほせどりつかはされ  羽衣
 刈安ならでかりそめに染め      千草

といった組み合わせは、

 飛梅やよろよろしくも神の春
  われもわれものからすうくひす

あるいは、

 花よりも鼻にありける匂いかな

といった、荒木田守武調を思い出させます。連歌の単調さに飽きた守武の転向に似た兆しが、この連歌練習帖にもそろそろ見えてきましたね。


by 連歌楽歳 (2016-08-10 13:11) 

羽衣

宗匠さま
未だ 連歌の れの字も存じ上げませんのに誠に恐れ入るばかりです。
所詮 かの雅ごころには ほど遠き身 にして仕様のなきことと
ご寛容遊ばされますよう。
ゆきつ戻りつもどかしきこととは存じますが 筑波の道への
お導き今後とも変わらず よろしくお願い申し上げます。
いつもながら有り難うございました。  
by 羽衣 (2016-08-10 16:55) 

遊香

お暑さ、おさまりませんね。

忘れ扇を美濃の国まで

いただきまして、付け

墨にほふふところ紙や秋の風
しまひたる櫛笥にやをら虫の声
いつの間になつかし草の遠ざけり
なよよかな袖のわかれにあかね雲(鰯雲?)

あかね雲は季語ですか? 秋に無理でしたら鰯雲かと…

楽歳さま、いつもながらお手直しをよろしくお願いいたします。

by 遊香 (2016-08-13 16:54) 

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