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電脳網千句第9 賦白何百韻 4折表 2019.2.1~

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                          (京都大学図書館蔵)

  

  つつがなく友と相みて語りたき     香
   せんじ物とて苦し苦しと       姫
  久寿玉の柱をたのむ起き臥しに     草
   夕星(づつ)触るるかはほりの舞   月
  この島は南の海の果てにして      歳
   すぎさりし日のよみがへる筥     風
  うつくしき笛に誘はれ歩み出づ     舎
   律(りち)の調べを片待ちの松     衣
  寝ね難き秋の百夜を過ごしける     梯
   月も常より近く見えしを       香
  山裾の菊のかをりのただよひて     姫
   誰そ醸せるや大甕の酒        草
  あまびゑとふ絵札貼られし厨口     月
   嵐のさなか戸を敲く音        歳
   







   

 

    






コメント(35) 

コメント 35

朝姫

楽歳様、皆様

今回も流れを止めてしまって申し訳ございません。
ゆっくり向き合える時間ができるまで、と思うとなかなかタイミングが巡ってこず、流石にもう付けなくては…と思って慌てて取り組むとやはりボロボロで情けない限りです。
特に前回は連歌にそぐわない題材ばかり盛り込んでしまい、大変失礼いたしました。
千草様には本当にご迷惑をお掛けしました。
暫くお休みさせていただいた方がいいかしら、と何度も思ったのですが、この巻の最後までは皆さんとご一緒させていただいて少しでも学びたい、という気持ちが強く、ずるずるとしがみついております。
皆様にはまたご迷惑お掛けしてしまうかと思いますが、なるべく早く付けられるよう頑張ります。

遊香様の
  つつがなく友と相みて語りたき
を頂きました。

 付
  追うても逃げるたまゆらの影   朝姫
  つむり傾げて思ひわづらふ
  煎じ物とて苦し苦しと

ご指導どうぞよろしくお願い致します。

by 朝姫 (2020-03-16 21:00) 

連歌楽歳

 追うても逃げるたまゆらの影   朝姫

 召されし君はつひに帰らず    夢梯
 つつがなく友と相みて語りたき  遊香
 追うても逃げるたまゆらの影   朝姫
ある種の停滞感を覚えますが、それもまたよしとのご意見もあるでしょう。

 つむり傾げて思ひわづらふ
雑 人体

 煎じ物とて苦し苦しと
雑 煎物の煎(せん)は字音。せんじ物、とひらがなでごまかしておきましょう。
 
     ◇
まもなくゴールです。いましばらくお付き合いのほど、よろしくお願いします。


     

by 連歌楽歳 (2020-03-17 01:19) 

千草

朝姫様
ドンマイ。
千草は別名待雪、待つ事こそ大切にしたいと考えております。
また
お心を傷められたのは、私の至らなさで、
あれは御付けをそのまま掲示された宗匠様へ、
末座より物申したのでした。
一方
連衆は、式目はさておき心に浮かぶままに付けを出してよろしいのではないでしょうか。
それを吟味遊ばされるのは宗匠様。
幽玄に優美にといっても言の葉に見え隠れにおかしみが顔を出すのはなりゆきのこと、
御付けの巻紙に戯れる猫のなんと可愛らしかったことでしょう。
(このとき、巻き髪の縦ロールが脳裏をかすめたのは私の秘密でございますけれども)

ここしばらく、手作りマスクの家庭内手工業に励んでおりまして
(手縫いのため一日一枚の非能率さ)
裁縫箱をしまって連歌頭に戻るのに少々お時間をいただきたく存じます。
庭野千草


by 千草 (2020-03-17 09:14) 

千草

せんじ物とて苦し苦しと  朝姫様
 こちらを頂戴いたします。

「苦し苦し」は、「にがしにがし」と読ませていただきました。

雑談となりますが
かき氷にイチゴの赤や、ハワイアンの青のシロップでなく
透明な蜜シロップのかかったものは一般に「みぞれ」ですが
東京下町育ちの夫はこれを「すい」と言います。
でも、名古屋では「せんじ」というのです。
(発音は、フラットです)
砂糖を煎じたという意味かなあと思いますが
百韻連歌でこの言葉にお目にかかれてうれしいことです。

   せんじ物とて苦し苦しと  朝姫様
付け
 久寿玉の柱をたのむ起き臥しに   千草
 稚児あまた見えつ隠れつ立蔀
 やはらかき心を過るうき雲の
 ちはやふる神の瑞枝を風わたる

前句、前前句ともに、世情の落ち着かなさを直截にお出しにならず
戦国時代の連歌師のようなと感銘をうけまして
拙次も、同調いたしました。

よろしく御捌きのほどお願い申し上げます。
千草





by 千草 (2020-03-18 09:07) 

連歌楽歳

 久寿玉の柱をたのむ起き臥しに   千草
夏 久寿玉=薬玉 柱は居所体 

 稚児あまた見えつ隠れつ立蔀
雑 人倫 居所体 前2句に「君」「友」があります。連歌では人倫の打越を嫌います。

 やはらかき心を過るうき雲の
雑 聳物

 ちはやふる神の瑞枝を風わたる
雑 神祇 木類 吹物

by 連歌楽歳 (2020-03-18 13:39) 

千草

楽歳様

稚児あまたは、どうぞお返しくださいませ。。

千草

by 千草 (2020-03-18 14:00) 

如月

宗匠さま、 皆さま

たいへん御無沙汰をいたしてしまいました。なにとぞご寛恕のほどお願い申し上げます。

外出自粛の週末に突入いたしました。
宰相夫人が率先して自粛破り・忖度破棄をして怖れる気配なしという、考えようによっては「頼もしい」国であったようですね、この国は。

さて、次のようにお句を頂戴させていただきました。

久寿玉の柱を頼む起き臥しに 千草さま

なお、久も寿も字音と思うのですが、万葉仮名として使われているので宜しい、ということでしょうか? この辺の考え方がよくわかりません。
いずれにしましても、薬玉という夏の季語と理解いたしました。

拙次
水草の鉢つつと緋目高 如月
かるの子過る庭の賑ひ
けだるく鳴らす朱き鬼灯
夕星(づつ)触るるかはほりの舞
化粧(けはひ)の小筥おとし文秘め
奥より洩るる生布織る音

以上、すべて夏の季語を詠みました。久し振りの夏の句で、たのしかったです。
時間をいただき過ぎで申し訳ありません。

ご指導よろしくお願い申し上げます。
(夜分おそく失礼いたしました。昼寝のし過ぎか、つい宵っ張りになりました!)
おやすみなさい(+.+)(-.-)(__)..zzZZ
by 如月 (2020-03-28 02:50) 

如月

宗匠さま

鬼灯市が夏なので、鬼灯も夏、と思ってしまいました。差替えさせてくださいませ。

海ほほづきの音のけだるく
by 如月 (2020-03-28 03:19) 

連歌楽歳

 水草の鉢つつと緋目高      如月
夏 魚類 水辺 草類
 
 かるの子過る庭の賑ひ
夏 鳥類 水辺かも 居所用

 海ほほづきの音のけだるく
夏 ここの「海ほほづき」は玩具なので、非動物・非水辺

 夕星(づつ)触るるかはほりの舞
夏 「かはほり」は『連珠合璧集』で「虫類」とされていますが、哺乳類であることがわかっている今では「虫類」はないでしょう。おおざっぱに「生類」。ゆうづつ(金星)は光物・時分(夕)

 化粧(けはひ)の小筥おとし文秘め
夏 「落とし文」は俳諧夏の季語の虫類。虫そのものを標本にして、あるいは生きたままで、化粧箱に入れるのは虫愛ずる姫君の仕業。職業柄化粧箱を使っている男もいるけれど。

 奥より洩るる生布織る音
夏 衣服になる前の生布ですが、衣類に分類。



by 連歌楽歳 (2020-03-28 22:23) 

連歌楽歳

●4折表4治定
 夕星(づつ)触るるかはほりの舞   如月
4折表に移ってから、密閉・密集・密着のコロナ感染予防上危険な三密状況が続きましたので、オープンな空間設定へ転換したこの句を頂くことにしました。もっとも、こうもりはウイルスの運び屋として名をはせていますけれど。

●4折表5付け
 この島は南の海の果てにして
 このごろは都の寺もうらびれて
 み熊野の小暗き森に社あり
 人避けてひとり籠れる山のなか

    ◇

 この島は南の海の果てにして
雑 水辺 山類  

 このごろは都の寺もうらびれて
雑 釈教(寺) 都は3句物(只1、名所1、旅1 これは只の都、旅の都は使用済み) 国郡

 み熊野の小暗き森に社あり
雑 神祇 名所 木類

 人避けてひとり籠れる山のなか
雑 人倫 数字 山類


by 連歌楽歳 (2020-03-29 15:21) 

如月

宗匠さま

お捌き有難うございました。
三密やら換気やらという時事関連語を、こういう場面でお聞きするとは、思いもしませんでした。恐れ入りましてございます。
以後、心することに致します。

表紙写真は、本日の雪の景色でしょうか?
満開をつづけている桜花に雪が降りしきる今日の眺めは、見事なものでした。
我が家の枝垂れ桜も冷たい雪に健気に耐えていました。
あの2001年3月31日、六代目歌右衛門が亡くなった夜に目撃した凄艶な「雪月花」を、想い出しました。

千草さま、
チクチクとお縫いになったマスク、付け心地もさぞよろしいことでしょう。
ついに枚数が尽きる寸前の状態になり思案していましたら、ネットやTVで、折るだけで作れるマスクも紹介されたりして、自分で作ればいいのだと、ホッとしているところです。

宗匠さま、皆さま
長期戦になる様相ですね。どうぞお大事になさってくださいませ。
by 如月 (2020-03-29 21:13) 

お名前(必須)


 この島は南の海の果てにして     楽歳

    付

  すぎさりし日のよみがへる筥    梢風
  沖ゆくふねを日がな探しつ      〃
  又も云ひ出すくちなはのこと     〃

○楽歳様、「くちなは」は連歌時代に季語にはないのではと使ってみました。打越に「かはほり」がありますが連歌でも「異生類は越を嫌わない」といった便法はあるのでしょうか。よろしくお願い致します。
by お名前(必須) (2020-03-31 20:04) 

連歌楽歳

 すぎさりし日のよみがへる筥    梢風
雑 前句をふまえれば、「すぎさりし・よみがへる」が効いて懐旧(述懐)の句

  沖ゆくふねを日がな探しつ
雑 水辺体・体用外 

  又も云ひ出すくちなはのこと 
雑 「くちなは・ながむし・へみ」を日文研のデータベースで当たりましたが使用例はありませんでした。『連珠合璧集』では蛙が虫類に入れられていますので、ながむしも分類は虫類でしょうか。虫類はいまでは奇妙に聞こえるので、「生類」と逃げるのが穏当ですね。連歌では、獣類と鳥類は3句、鳥類と虫類は3句、の決まりがあり、異生類越を嫌わずとはいきません。さらに、連歌には使用例のない言葉ですが、俳諧では季語になっている言葉は、練習帖では俳諧の季を優先させることにしてきました。願わくは別のものを云い出してください。

by 連歌楽歳 (2020-03-31 23:00) 

梢風

楽歳さま。「異生類越嫌わず」の便法は連歌では用いないということわかりました。有り難うございます。「くちなは」を引っ込めまして別案お出しします。

 おやさとのかぜ今も聴こゆる  梢風

よろしくお願いします。

 
by 梢風 (2020-04-01 08:15) 

連歌楽歳

 おやさとのかぜ今も聴こゆる  梢風
雑 人倫 居所体 吹物

by 連歌楽歳 (2020-04-01 11:47) 

蘭舎

楽歳さま みなさま

世情、一段と落ち着かないことになって参りました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

梢風さまの

 すぎさりし日のよみがへる筥

をいただき、拙次

 弟姫の涙涼しく乾きゆき         蘭舎
 しばらくは乾飯(ほしいい)さへも厭ひしを
 うつくしき笛に誘はれ歩み出づ
 めのとごとともに習ひし篠の笛

調いませんが、よろしくお願い申し上げます。  

 
by 蘭舎 (2020-04-02 16:44) 

連歌楽歳

 弟姫の涙涼しく乾きゆき         蘭舎
雑 弟姫は乙姫なら仙女で非人倫、妹の方の姫君なら人倫 「涼し」は夏の季語と「すがすがしきこと」をいう雑の二つがあり(『無言抄』)、4折3に夏の句があるので、この場合は雑の涼しき。

 しばらくは乾飯(ほしいい)さへも厭ひしを
雑 食物

 うつくしき笛に誘はれ歩み出づ

雑 

 めのとごとともに習ひし篠の笛
雑 人倫


by 連歌楽歳 (2020-04-02 22:23) 

羽衣

宗匠さま 皆さま
誠に大変な時代に突入してしまいました。
三密?の句会も当分叶いませんでしょう。
そうした折柄、電脳網千句 有り難く存じます。
何卒ご健勝で よろしくお願い申し上げます。

四折表七句目
    うつくしき笛に誘はれ歩み出づ    蘭舎さま

   八句目     付け
      まだ見ぬひとの振り向きし(ける)夢
      垣間見たるは黒髪かはた(将・何)
      菊の虜となりしあてびと
      霧の籬に微笑しみほとけ
      律(りち)の調べを片待ちの(て)松
      
お導きのほどよろしくお願いいたします。
      


by 羽衣 (2020-04-03 22:54) 

連歌楽歳

 まだ見ぬひとの振り向きし(ける)夢
雑 恋 人倫 ここの夢は夜分の夢でしょう。「し」「ける」は付句作者のご都合で。

 垣間見たるは黒髪かはた(将・何)
雑 恋 人体 「はた」「将(はた)」「何」の選択は付句作者にゆだねます。

 菊の虜となりしあてびと
秋 草類 人倫 「菊・虜・あてびと」の組み合わせで恋の雰囲気

 霧の籬に微笑しみほとけ
秋 聳物 居所体 釈教 「吾が仏」のニュアンスを感じれば、恋の句

 律(りち)の調べを片待ちの(て)松
秋 片待で恋 木類 律の調べ(律=りち、は字音であるが)『産衣』に「秋也。琴などの調子也」。 
  律の声琴の調子(しらべ)の澄ぬ也
   月も更行秋風の雲   紹巴
の例あり。「片待ちの松」の方が語呂がよさそうです。


by 連歌楽歳 (2020-04-04 12:03) 

羽衣

宗匠さま みなさま
早速の御吟味お導き賜り 誠に有り難うございました。
「片待ちの松」すっきり致しました。

本日は暖かく 素晴らしいお天気ですのにお商売の御方は
気の毒です。サクラも何だか色あせてしまいましたが
奇跡的に未だ頑張っている?ようです。
お近くのお散歩など如何でしょうか。
トップの御写真、何だか見覚えのある風景ですね。
いつも有り難うございます。
皆さまも 何卒 お元気で! またのお目文字を~
by 羽衣 (2020-04-04 13:56) 

連歌楽歳

夢梯さまから、いかの治定、付けを頂きました。
閉門蟄居の毎日を過ごされていらっしゃるとのことでした。
みなさまもご用心とお言伝がありました。


●4折表8治定
  律の調べを片待ちの松   羽衣
●4折表9付
 寝ね難き秋の百夜(ももよ)を過ごしける     夢梯
 忘れじと誓ひしものを秋の袖
 舞姫の忘れしままに秋扇
 夜隠りの戸ぼそを包む虫しぐれ
 衣ずれの音きく宵の遠砧
 黒髪のもみぢかさねに乱れては

    ◇
 寝ね難き秋の百夜(ももよ)を過ごしける     夢梯
秋 恋(小野小町と深草少将の伝説から) 夜分 数字

 忘れじと誓ひしものを秋の袖
秋 恋 衣類

 舞姫の忘れしままに秋扇
秋 人倫 恋 「舞姫は恋に非ず(『産衣』)、しかし舞姫が秋扇(容色衰え寵愛を失った女性)と結びつくと、大いなる悲恋。

 夜隠りの戸ぼそを包む虫しぐれ
秋 恋(「命をさへにかこつ恋しさ――とはれぬを待(まつ)てふ虫の音は離(か)れよ」古典連歌の付けあいをふんで) 居所体 虫しぐれ(1折裏にマツムシが出ていますが、ここは只の虫。ともに1句物)

 衣ずれの音きく宵の遠砧
秋 恋(知恩院の鐘が覚まさぬ人さめぬ扇もとむるわが衣ずれに――与謝野晶子) 砧(1句物) 衣類 宵は非時分

 黒髪のもみぢかさねに乱れては
秋 恋(黒髪の…乱れては、で乱れ髪=『毛吹草』で恋の詞) 衣類 人体

「律の調べを片待ちの松   羽衣」に続いてさらに恋の句が欲しく、楽歳が強引に恋の句にひきよせたところもあります。


by 連歌楽歳 (2020-04-10 23:41) 

遊香

巣ごもり生活、長期化しそうですね。
ごく初期のころから外出を自粛してきたので、もう飽きてしまいました。

夢梯様の
寝ね難き秋の百夜(ももよ)を過ごしける 
いただきまして、付

月も常より近く見へしを  遊香
赤らむ月のいよよ近づき
榧の実をつとをしむ掌
いたはる術を告げぬ榧の実
こほろぎの音にしのぶ文塚

ピンクスーパームーンを表わしたい、恋の句も続けたいと欲張ったのですが、無理でしたかしら?
楽歳様、いつものごとく、お手直し、よろしくお願いいたします。

by 遊香 (2020-04-14 11:33) 

連歌楽歳

 月も常より近く見へしを      遊香
秋 月 光物 夜分
 
 赤らむ月のいよよ近づき
秋 月 夜分

 榧の実をつとをしむ掌
秋 カヤの実で木類 人体

 いたはる術を告げぬ榧の実
秋 木類 

 こほろぎの音にしのぶ文塚
秋 コウロギは虫類で俳諧秋の季語(連歌には使用例が見当たらず。芭蕉も俳句ではコオロギの旧名・キリギリスを多用しました)。 文塚の「文」は恋1、旅1、文学1の3句物です。1折裏10、2折裏9、3折表7で使い果たしています。「文塚」を「碑」と言い換えてはいかがでしょうか。平安時代の有名な奥州「壺碑(つぼのいしぶみ)」があります。

by 連歌楽歳 (2020-04-14 16:55) 

遊香

楽歳様
「文」は使い果たしていたのですね。失礼しました。
「碑」に替えてくださいますよう、よろしくお願いいたします。

by 遊香 (2020-04-14 22:59) 

連歌楽歳

訂正
「月も常より近く見へしを」
の「見へし」を「見えし」と
訂正します。動詞「見ゆ」はヤ行下2段活用です。
読者の方からご注意をいただきました。
       
by 連歌楽歳 (2020-04-17 17:36) 

朝姫

楽歳様、皆様

包囲網がギュッと狭まってしまったようで窮屈な日々です。
皆様にはお変わりございませんでしょうか。
前回は楽歳様、千草様の温かいお言葉に励まされました。
いつも至らないばかりなのに、優しく見守っていただきありがとうございます。
今や予定が全てキャンセルになり、かえって時間ができたせいか、今回は少し心に余裕をもって付を考えられました。
とは言っても相変わらず拙いものでお恥ずかしいですが。。。

遊香様の

 月も常より近く見えしを

をいただきます。


 ほとばしる心うつさむ乱れ萩    朝姫
 萩散りし庭のながめの移ろひて
 露草に心残して去りゆけば
 山裾の菊のかほりのただよひて

楽歳様、千草様、宜しくお願い致します。

ところで、東京にお住いの方々にはアベノマスクが既にお手元に届いてらっしゃるのでしょうか。
報道によると随分と不評のようですね。
今からリメイクを覚悟しております。

まだまだ長く続く巣籠り生活、皆様心と体ともに健やかにお過ごしくださいませ。


by 朝姫 (2020-04-20 10:37) 

連歌楽歳

 ほとばしる心うつさむ乱れ萩    朝姫
秋 萩(連歌では草類)第9句に松があって、木と草は3句隔てる約束に反しますが、文和千句第1百韻に、
   それとみて手にもとられぬ草の露
   只一時の花の朝がほ
   これとても終に朽ちぬる松の垣
の例がありますので、くどくどしいことは申しません。「乱れ萩」と言い回しは連歌データベースには見当たらず、俳諧時代の語法のようです。「行行てたふれ伏とも萩の原 曾良」の気概とお見受けしました。

 萩散りし庭のながめの移ろひて
秋 草類 居所体 萩散るは俳諧秋の季語 「月やあらぬ植ゑしはもとの萩の庭」(寛文年間百韻の発句)

 露草に心残して去りゆけば
秋 露草は俳諧秋の季語 

 山裾の菊のかほりのただよひて
秋 菊(新式のころは指定なしだが、無言抄のころから1句物)は草類 山類体 ここの菊の強さと、第9句の松はひっかるところがありますが、判断は付句作者におまかせ。

楽歳宅にはマスクはまだ届いていませんが、届きましたら桐の箱にでも入れて恩賜(蔭子)のマスクとでも銘打って保存しましょう。蔭子は父の蔭(おん)により官人として出身資格を有した者のこと。

by 連歌楽歳 (2020-04-21 01:54) 

千草

朝姫様
「無言抄のころから1句物」という折からの菊の付けを頂戴いたしたく存じます。

大輪の菊ではなく山裾に咲く楚々とした小菊。その香り。
ただ、木と草は3句隔てる約束があるのですね。
松と菊。。。確かに難しいですね。
楽歳様がお引きになった文和千句第1百韻からの三句の渡りは
三句ながらにすべて植え物という特殊ケースではございませんか。
ここは
練習帖だからいいことにしていただいて勧進帳の弁慶みたいに
安宅の関を通らせていただきます。
富樫は万事承知して見逃したのではなかったかしら。

   律(りち)の調べを片待ちの松     羽衣様
  寝ね難き秋の百夜を過ごしける    夢梯 様
   月も常より近く見えしを      遊香様
  山裾の菊のかほりのただよひて    朝姫様
付け
     爪木に細きけぶり立ちたつ    千草
     誰そ醸せるや大甕の酒
     遊ぶこどもの声は幻
     あとかたもなきさすらひの群れ

よろしくお捌くださいませ。

なお、4折表3の拙句の「薬玉」でございますが、原句は「久寿玉」とめでたく祝ったのであり、電網連句でなければ、料紙に筆で万葉仮名を散らし書きにするはずの句でございますので、ご勘考をお願いいたします。

by 千草 (2020-04-21 16:51) 

連歌楽歳

 爪木に細きけぶり立ちたつ    千草
雑 妻木は非植物 煙と煙は7句 聳物 「立ちたつ」とはいかなる意味なるや。

 誰そ醸せるや大甕の酒
雑 人倫 飲食物

 遊ぶこどもの声は幻
雑 人倫 

 あとかたもなきさすらひの群れ
雑 もし「さすらひの群れ」が「さすらひ人の群れ」の意であれば人倫

ご要望により「薬玉」を「久寿玉」に戻します。

by 連歌楽歳 (2020-04-21 22:54) 

連歌楽歳

あっ、思い出した。
国原は煙立ち立つ、でござんしたね。
リービ英雄氏の英訳では、
On the plain of land, smoke from the hearths rises,rises.
でござんした。

by 連歌楽歳 (2020-04-21 23:13) 

千草

楽歳様
久寿玉のこと、厚く御礼申し上げます。

rises,rises。。。さようでしたか。私はandを入れたほうが良いような気も。

国原の民の竈にくらべると、爪木からの小さい煙に「立ちたつ」
大げさかしら。「もくもくと」ということでおよろしく。

如月様 
どうぞよろしくお願い申し上げます。
マスクは、大量生産しないで
素材を変えデザインを変え色柄も違う一点物を気晴らしに製作。
こういう自己表現もあったのかという思いでございます。

また、お書きになられました2001年の春の雪月花の夜のこと、
私も鮮やかに記憶しております。歌右衛門の凄さでした。
お目にかかってまたお話したいです!




by 千草 (2020-04-22 17:18) 

如月

宗匠さま、千草さま、皆さま

おそくなりました。
千草さまのお句、次のように頂戴させていただきます。

誰そ醸せるや大甕の酒

拙次

あまびえとふ絵札貼られし厨口
髪揺らし座敷童子のふと現るる
ゆるやかに纏振りつつ木遣唄
火と水に仕へし気負ひおのづから
にこやかに媼ふるまふはなむけに

以上です。
ご指導、お捌き、ご一直、よろしくお願い申し上げます。

ところで、私の家にもアベノマスク届きました。
噂どおりというか、TV画面同様というか、見るからに小型。給食係の小学生にピッタリ!のサイズ感です。
宗匠さま同様に、とても使用する気になれないので、愚かな対応策の証拠物件として、保存しておくことに致します。

ゴミ入り、黴あり等の報道も伝えられましたが、ドサクサ紛れに大量の不良品を納入して巨大な利益をあげようとする業者・商社には怒りを覚えますし、それ以上に、こんな愚策しか打ち出せない政権、待ったをかけられない政治家には、改めて呆れるしかありません。

六百数十億円とかいわれる費用(私たちの税金です!)を、最前線で苦闘されている医療従事者の方々への、本物のマスクや防護服の配布に使ってほしかったです。

「し~ば~ら~く~」と駆け付けて待ったをかけ、悪者どもの首を次々とはねて転がす『暫』の鎌倉権五郎のような英雄を待ち望んだ江戸の庶民の気持ちが、よく分かるこの頃です。
英雄待望論は御伽噺や芝居の中に留めておかないと危険、というのはよく分かっていますが、現実が余りにお粗末なので・・。

千草さま
手づくりマスク、拝見したいです! 私の友人、知り合いも、いろいろな手づくりマスク写真を送ってくれます。

宗匠さま、皆さま
くれぐれも御身お大切にお過ごしくださいませ。
by 如月 (2020-04-28 18:48) 

連歌楽歳

 あまびえとふ絵札貼られし厨口
雑 妖怪(2折表8に同類の「あやかし」が出現済み。奇怪な想像物を出してすごんで見せるのは俳諧風で、連歌では「いさり火をみるもすさまじおきつ舟」程度に抑えます。とは言いつつも、前句と重ね合わせると、雰囲気がありますね) 居所体

 髪揺らし座敷童子のふと現るる
雑 妖怪

 ゆるやかに纏振りつつ木遣唄


 火と水に仕へし気負ひおのづから
雑 水は水辺用

 にこやかに媼ふるまふはなむけに
雑 人倫 


by 連歌楽歳 (2020-04-29 15:55) 

連歌楽歳

4折表13に

あまびえとふ絵札貼られし厨口   如月

を頂いて、

4折表14付け

 きしむ戸を推す音ぞ聞こゆる  楽歳
 嵐のさなか戸を敲く音
 歌も尽き果て日も暮れ果てて
 難を避けんと庵打ち捨つ

    ◇
 きしむ戸を推す音ぞ聞こゆる
雑 居所体

 嵐のさなか戸を敲く音
雑 吹物 居所体

 歌も尽き果て日も暮れ果てて
雑 時分

 難を避けんと庵打ち捨つ
雑 居所体

by 連歌楽歳 (2020-04-30 19:44) 

如月

宗匠さま (皆さま)

ご指導、お捌き有り難うございました。
連歌には相応しくないとされるそうな物の怪の句を治定していただきましたのも、平時ならざる緊急時ゆえの特例なのかもしれませんね。

後で巻を読み返したときに、コロナ禍の爪痕が刻まれているような感じをもつことになるでしょうか。

あまびえのお札が売れているとか、金太郎飴ならぬあまびえ飴が売り出されたとか、耳にします。
こんな時でも、いえ、こんな時だからでしょうか、人々の商売気と遊び心は(もしかしたら信仰心も?)健在のようで、ちょっと顔がほころびます。

皆さま、御身お大切にお過ごしなさってくださいませ。
by 如月 (2020-04-30 21:48) 

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