「軽くおだやかな表第4句…」の件、先月、川柳の会で連句に挑戦するにあたり、「連句概説」をあらためて読んだおかげかなと存じます(笑)。皆さん連句をおもしろがってくださり、2月の新年会で再び取り組むことになりました。今度は半歌仙にトライをと目論んでおりますが、どうなりますやら(笑)。
by
遊香
(2018-01-14 22:30)
夢梯さまから以下の治定と付句をいただきました。
◇
足の向くまゝたどる坂道 遊香
をいただき、 1折5付け
幽かなる清水流るゝ音をきく 夢梯 おのづから謡ひいでたる柳蔭 めづらかな人に行き遭ふ空の旅 けふはけふあすはあすとて旅の雲 絶えしとふ紫たづね里々へ
by
連歌楽歳
(2018-01-21 19:53)
8 電脳千句第八 賦何垣百韻
●1月7日 発句
発句は千草さまからいただきました。
梅開くいまひとたびを連ね歌 千草
<作者から一言> いまひとたび「を」ですが、いまひとたび「の」連ね歌も、考えたのですが。「の」の場合、これで最後です、つまり十巻目ですという感じが濃いかもしれない、8巻目発句としては「を」かなと思いまして。
添付画像は、うちのリビングルームの一角。スーパーで買ってきたお野菜の根っこから観葉植物を栽培する主婦のささやかな趣味です。ソファの蔭になっていてお正月中忘れていたのを思い出し、今朝みると元気なセリやミズナに混じって、あらまあ、「梅開く」でございました。この紅梅の小枝は、塀からはみ出して、トラックに折られた枝の先をビンに挿しておいたもの。植物の底力でございます。
庭野千草
●梅開くいまひとたびを連ね歌 千草
春 木類(梅は5句物、只1、紅梅1、冬木1、青梅1、紅葉1) 「ひとたび」で数字
紹巴『至宝抄』の「初めの春の言葉に」に「梅 冬(季)より咲くものにて候らへば、勿論(初)春に仕候、さりながら二月までも残るやうに仕候、宗祇の発句に、春なかば冬の梅咲み山かな 深山は寒き故に冬木の様に侘て咲くなり」とあります。実生活では寒の入りで寒さ厳しいころですが、「連歌練習帖」は一足先に早春となります。
いつもお世話になっている国際日本文化研究センターの連歌データベースにあたると、使われていた言葉は「梅」と「紅梅」。「白梅」は出てきませんでした。和歌・連歌の時代、白梅は「梅」に包摂されていたようです。「紅梅」は「梅」と対になる形で存在し、『連歌新式』に「紅梅(コウバイ)」とあり、字音を許していたようです。『毛吹草』の「俳諧四季之詞」には「白梅は正月」、同書の「連歌四季之詞」には「梅は初春」「紅梅は二月」とあります。白梅・紅梅を対比させるようなったのは俳諧の時代からのようです。
なお、トップのあしらい写真は発句作者の千草さかまら頂きました。また、今回の賦物は「何垣」→「梅垣」となります。
by 連歌楽歳 (2018-01-07 12:24)
明けましておめでとうございます。
早々のおぼつかない書き込みといぶせき画像をお許しくださいませ。
発句にあたって、連理秘抄をぱらぱらとみたところ
正月に梅とあり、それが当季にかなえばと梅の発句をいたしました。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
by 千草 (2018-01-07 15:27)
宗匠さま、皆さま
平成三十年の幕開けをお健やかに祝われたこととお慶び申し上げます。
千草さまの馨りたかい梅のお句をいただき、新しき年とともに新たな百韻の旅へと出立致しますこと、まことに御目出度いことでございます。
道中なにとぞお導きのほど、宜しくお願い申し上げます。
拙き脇でございますが・・・
・贐(はなむけ)せむとやしげき囀り
/馬のはなむけせむと囀り
・幸先祝きて貌鳥の声
/貌鳥の声祝くや幸先
・春告鳥の初音うれしも
・谷を渡りて春告げる鳥
作り直しも致します。ご指導よろしくお願い申し上げます。
(なお旧蝋、ことば足らずのもの言いをいたしまして、おこころを煩わせてしまいましたようで、申し訳ないことでございました。新しき巻も今まで通り、如月の名で加わらせていただきたいと思っております。)
by 如月 (2018-01-08 10:14)
贐(はなむけ)せむとやしげき囀り
(馬のはなむけせむと囀り)
発句の「ひとたび」を「一旅」と読んでの工夫ですね。「囀り」は俳諧では春の季語になっていますが、あいにく連歌の場合「囀り」だけでは季語と認められていませんでした。
我しらぬことはをあまのさへつりて (紫野千句第4)
道をあまたのとりのさへつり (文安月千句第2)
『連歌新式』には言及がありませんが、『産衣』に、「囀の字 鳥と海士と共に一也」、また『毛吹草』の「連歌四季之詞」に「中春 鳥の囀」。「囀り」だけで春の季語は難しそうです。似た例に、「清水」は俳諧では夏の季語ですが、連歌では「清水むすぶは夏、清水だけでは雑」(無言抄)。
贐(はなむけ)せむとや鳥の囀
あたりいかがでしょうか。連ね歌→しげき囀りとつながりますが、連ね歌→鳥の囀りでも気分は伝わるでしょう。脇の定型は「韻字留」ですから、囀りを囀に。
幸先祝きて貌鳥の声
貌鳥の声(鳴いて)祝くや幸先
春 鳥類
春告鳥の初音うれしも
春 鳥類 詠嘆の助詞「も」が気にかかるので、
春告鳥の初音聞く頃
と脇句定型の「ころ留め」にしませんか。
谷を渡りて春告げる鳥
春 鳥類 谷は山類体
by 連歌楽歳 (2018-01-08 16:05)
宗匠さま
早速のご指導ありがとうございました。
確かに、囀だけでは季語にならないと、前の巻でしたか、ご指摘があったように思いました。
(また、清水だけでは夏の季語にならないということも、これはハッキリと思い出しました。)
脇でもう、こんなにお手間をお掛けしてしまいまして、まことに恐縮でございます。
「・・・しげき囀」を、お直しのままに、「贐せむとや鳥の囀」としてくださいませ。
「馬のはなむけ・・・」の句は、取下げさせていただきます。
「・・・初音うれしも」は、「も」が問題となるかもしれないと思いつつ、出句したのでした。
仰せのように、頃止めの「春告鳥の初音きく頃」とさせてくださいませ。(きくは平仮名にしてください。)
また貌鳥の句(2)は、お直しのように、「貌鳥鳴きて祝くや幸先」とお願い致します。
いくつものお直しをいただきまして有難うございました。
ところで、鳥の囀とともに「海士の囀」が用例となっているのは、面白いことですね。
海士や海女の、笛のような激しい呼吸音を指しているのでしょうか?
by 如月 (2018-01-08 23:14)
如月さま
では、そのように変更いたします。
「囀り」ですが、『岩波古語辞典』は①鳥の囀り②意味のわからない、賤しい言葉を多くしゃべること、と説明しています。海士のさえずりは、なんら生産活動に従事することもなく、生産活動をする人たちを蔑視していた貴族どもの偏見でしょうね。
by 連歌楽歳 (2018-01-08 23:36)
贐(はなむけ)せむとや鳥の囀 如月
気がつくと「贐せむとや鳥の囀」は8・7で、脇句ではまず無い形になっています。「贐せむと鳥の囀」と「や」を抜いて作法通りに形を整えるか、軽い疑問の助詞「や」がもたらす柔らかい感じを大切にするか、思案どころです。平凡ですが定法通り、
贐せむと鳥の囀
かなと思ったのですが、ふと、小西甚一氏が『宗祇』(筑摩書房、1971年)で、①連歌の型は幾世期にもわたる共同的な経験に根差す集団意識であり②現代の独創的な表現活動や個性の重視の対極にある③むかしの連歌人は独創的だとか個性的だとかいわれるような表現を避けるため、型に従った④連歌の句は「何の変りたるおもしろき節もない」世の常の句であり、新味は前句との付きようにもとめる、と言っていたのを思い出し、
春告鳥の初音きく頃 如月
春 鳥類(鶯は1句物、春告鳥は鶯の異名なので、鶯は事実上使用ずみ)
をいただくことにしました。
梅開くいまひとたびを連ね歌 千草
春告鳥の初音きく頃 如月
幾百年も続く新春の形です。
付け
水ぬるむ里の高山雪消えて 楽歳
あさぼらけ霞む甍の波みえて
見上ぐればのどかに浮かぶ雲ありて
◇
水ぬるむ里の高山雪消えて
春 水辺用 居所体 山類 雪は4句物
あさぼらけ霞む甍の波みえて
春 あさぼらけは非夜分、ということは時分(朝) 霞は聳物 甍は居所体
見上ぐればのどかに浮かぶ雲ありて
春 聳物
by 連歌楽歳 (2018-01-09 20:21)
おはようございます。
宗匠さま、治定有難うございました。
幾百年もつづく新春の形ーーこころに響く言葉です。
そこはかとなく付けたい気分で疑問の“や”を付けましたが、リズムを乱すなどもってのほかだったのですね!
昔の連歌人は「独創的・個人的」と言われることを避けて「型に従った」ーー含蓄の深い言葉でございます。
まして発句を受ける脇ですので、俳諧の連歌でも、自己主張的な破調のリズムはいけませんでしょう。
ご指導ありがとうございました。
明るい日が差しています。皆さま、良い一日を。
by 如月 (2018-01-10 11:14)
しばらく旅行に出ておりました。
遅くなりましてすみません。
楽歳様の
あさぼらけ霞む甍の波みえて
いただきまして 付
足の向くままたどる坂道
里を行き交ふ人の笑顔(ゑみがほ)
照るや降るやと常の言草(ことぐさ)
厨人(くりやびと)らのいそがはし里
青海原の香りなつかし
そぞろ歩きを誘ふ浦風
使える句がありましたら幸いです。
表記は漢字か仮名か、おまかせします。
いつものごとく、お手直しをよろしくお願いいたします。
by 遊香 (2018-01-14 02:46)
足の向くままたどる坂道
雑 人体
里を行き交ふ人の笑顔(ゑみがほ)
雑 居所体 人倫 人体
照るや降るやと常の言草(ことぐさ)
雑
厨人(くりやびと)らのいそがはし里
雑 厨人は人倫 厨は居所体・飲食の含意 里は居所体 「いそがはし里」は文法上「いそがはしき里」なので→いそがしき里
青海原の香りなつかし
雑 水辺体
そぞろ歩きを誘ふ浦風
雑 浦は水辺体 風は吹物
いずれも軽くおだやかな表第4句らしい付けとおみうけしました。
by 連歌楽歳 (2018-01-14 13:26)
楽歳さま
「いそがしき里」のご訂正、ありがとうございます。
「軽くおだやかな表第4句…」の件、先月、川柳の会で連句に挑戦するにあたり、「連句概説」をあらためて読んだおかげかなと存じます(笑)。皆さん連句をおもしろがってくださり、2月の新年会で再び取り組むことになりました。今度は半歌仙にトライをと目論んでおりますが、どうなりますやら(笑)。
by 遊香 (2018-01-14 22:30)
夢梯さまから以下の治定と付句をいただきました。
◇
足の向くまゝたどる坂道 遊香
をいただき、
1折5付け
幽かなる清水流るゝ音をきく 夢梯
おのづから謡ひいでたる柳蔭
めづらかな人に行き遭ふ空の旅
けふはけふあすはあすとて旅の雲
絶えしとふ紫たづね里々へ
by 連歌楽歳 (2018-01-21 19:53)
幽かなる清水流るゝ音をきく 夢梯
雑 水辺用
おのづから謡ひいでたる柳蔭
春 柳は春・木類
めづらかな人に行き遭ふ旅の空
雑 旅 人倫 空は天象
けふはけふあすはあすとて旅の雲
雑 旅 けふ(今日)は2句物、折をかえる 雲は聳物で、第3句の霞と障ります。「雲」を「空」と変えて、ひとつ前の句とならべ「旅の空」の競作ということでお茶を濁しましょう。
絶えしとふ紫たづね里々へ
すでに良い句が沢山出てきているので、この句預かります。「絶えしとふ」は「絶えし」+「とふ(『という』の短縮形として上代に用いられたが平安時代に入って『てふ』に代わった)と考えられ、句の意味は「途絶えてしまったといわれている紫(染料植物)を訪ねて里まわり」ではないかと思われますが、どうもすっきりしません。
by 連歌楽歳 (2018-01-21 21:08)
●修正
おのづから謡ひいでたる柳蔭 夢梯
ですが、発句に「梅」があり、第5句に「柳」が出ると木類は5句隔てる規則に反しますので、
おのづから謡ひいでたる杜若
(雑/夏 杜若は謡曲のタイトルで、草類としては夏の季語。発句の梅とは中3句があり、木類と草類は3句隔てるルールをクリア)
と変更いたします。
by 連歌楽歳 (2018-01-22 00:19)
お待たせ致しました。
夢梯さまの「幽かなる清水」の御句にも惹かれましたが、脇句に詠まれた「音」が気になって、
おのづから謡ひいでたる杜若
を頂きました。杜若とあれば、伊勢物語ですね。恋を離れてどう付ければよいのか、苦吟いたしました。
静けき沢にかかる八橋 蘭舎
(八橋かけてしめやかな沢)
はるばる来ぬるひんがしの国(里)
たゞしめやかに泉湧きをり
ひんがしの雲うちながめつつ
舞を奏づるしめやかな笛
ご吟味、お直しのほど、よろしく御願いいたします。
by 蘭舎 (2018-01-29 06:34)
静けき沢にかかる八橋 蘭舎
(八橋かけてしめやかな沢)
選択は付句作者に一任
雑 沢・橋は水辺体(三河の八橋と杜若は縁語) 名所
はるばる来ぬるひんがしの国(里)
第3句に甍(居所)体があるので、打越の感じはないが、古人にならって打越とし、国を選択しましょう。
雑 国は国郡
たゞしめやかに泉湧きをり
雑・夏 泉は水辺体・『無言抄』では夏
ひんがしの雲うちながめつつ
雑 雲は聳物、第3句に霞。預かります。代案あればどうぞ。
舞を奏づるしめやかな笛
雑 「奏(かな)づる」と読みを入れておきましょう。
◇
おのづから謡ひいでたる柳蔭 夢梯
西行の「道の辺に清水流るる柳蔭しばしとてこそ立ちどまりつれ」は古今集の「夏歌」。これをもとにしたのが能の「遊行柳」。「柳」は宗祇のころから春の季語になっていましたが、二条良基の「文和千句第1」に「門は柳の奥の古寺 救済」と無季で使われていますので、柳蔭を春でなく「雑」とすることも可能でした。さりながら「梅」と「柳」の中3句ではいかんともしがたく、残念でした。
by 連歌楽歳 (2018-01-30 00:34)
楽歳さま
みちのくの空はいかがだったでしょうか?
お帰り間もなく、拙句をご吟味していただき、恐れ入ります。
> ひんがしの雲うちながめつつ
> 雑 雲は聳物、第3句に霞。預かります。代案あればどうぞ。
「そびき」の障り、見落としておりました。
お言葉に甘えて、「空」でパスできるようであれば、言い換えて、
それでも障るようでしたら、ばっさりとお捨て下さい。
ひんがしの空うちながめつゝ (訂正句)
極寒、フリーズ、乗り越えましょう!!
蘭舎拝
by 蘭舎 (2018-01-30 06:20)
訂正
先の書き込みで西行の「柳蔭」の歌を古今集としたのは「新古今集」の書き誤りでした。訂正します。
by 連歌楽歳 (2018-01-30 13:00)
ひんがしの空うちながめつゝ 蘭舎
付
揚る帆に満ち来る月の頼もしき 梢風
月の出にともづなを解くかこの声 〃
月よみの大臣静かにうなだれて 〃
○蘭舎さんの訂正句に付けさせて頂きました。楽歳様今年も連歌の船にの乗船させて頂きます。よろしくお願い致します。 梢風
by 梢風 (2018-02-01 09:22)
蕉風様、丁重なご挨拶いたみいります。
◇
揚る帆に満ち来る月の頼もしき 梢風
秋 月 光物 夜分 「帆をあげれば、満月も近い月もあがり、大潮満ちくる」状況でしょうか。「帆」は船の一部で、家の一部の柱が居所とされているように、水辺用ではないかと思われますが、『連歌新式』『産衣』などに記述がありません。「杜若」と「帆」が水辺打越というのは神経質すぎる気もします。マイナーな話なのでここは、素知らぬ顔で通り過ぎましょう。
月の出にともづなを解くかこの声
秋 月 光物 夜分 人倫 「ともづな」は船具、「かこ(水手)」は船員で、「あま(海士)」が水辺用ですから水手も水辺でしょう。この句はご工夫を。
月よみの大臣静かにうなだれて
秋 月 光物夜分 「月よみの大臣」が「月読尊」に近いものであれば神祇、「月読男」なら月そのもの、「月読宮を訪れた大臣」なら神祇・人倫となります。
by 連歌楽歳 (2018-02-01 14:50)
<1折表7付けの整理>
梢風さまから2日たっても応答がありません。次の付け句担当・羽衣さまをこれ以上おまたせするのも心苦しく、楽歳の判断で「月の出にともづなを解くかこの声」を削ります。「揚る帆に満ち来る月の頼もしき」も「月の出にともづなを解くかこの声」も、「熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」の変奏曲のように聞こえますので、もともと句自体が濃厚な水辺を漂わせています。とはいえ、用語としては先に申しましたように「帆」は船の一部ですが、むしろ水辺よりは風との関連が気になるような代物なので、水辺からはかなり遠ざかっていると判断します。したがって、付句は、
揚る帆に満ち来る月の頼もしき 梢風
月よみの大臣静かにうなだれて
(「月よみ」を「月夜見」ととらえて、秋、月 光物 夜分、人倫)
この多義的な句を付け句作者が独自の解釈でとらえて付句をなさっていただければと思います。
by 連歌楽歳 (2018-02-03 12:28)
宗匠さま 皆さま
昨日の雪も難なくやり過ごし いよいよ節分を迎えました。
皆さまにはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。
あらためまして 此度の はつ春!目出度き
電脳千句第八 賦何垣百韻 よろしくお願い申し上げます。
扨、当方も前句作者であらせられる梢風さまの コメント心待ち
致して居りましたが 雪のお遍路にでも思い立ち遊ばされました
のでしょうか? 羨ましくも尊きことと存じます。
熟田津の船乗りの歌(新羅出兵時の作のようですが)
額田王といい斉明天皇といい古代の女性はなんと大きく逞しく
行動的であらせられたのでしょう。 古代の権力者と現代大衆
社会の下々と比ぶべくもございませんが~
本題に戻り 水辺に障りがございますようで
月よみの大臣 は 自他でいうとどなたなのか お尋ね致したく
存じましたがそれも叶わず 勝手ながら 独断と偏見で
梢風さまご自身ととり(新しい巻ではじめて 月を頂く 畏れと
申しましょうか 恥じらいと申しましょうか 経験者は語る?)
うなだれる という 唐突なマイナー気分もそれ故 と解しました
が ご真意は如何に? 兎に角 神祇とは解しませんでしたので
ご吟味の程 よろしくお願い申し上げます。
表七
月よみの大臣静かにうなだれて 梢風
付け
すヽ虫などを籠にまゐらせ
あヽため酒を振舞ひにけり
遠く幽かにころも(衣)(砧)うつ音
取り急ぎのご無礼 何卒ご寛容の程
よろしくお導き賜りますようお願い申し上げます。
by 羽衣 (2018-02-03 16:19)
宗匠さま
前コメント 付け句
あたヽめ酒 です。 失礼致しました。
by 羽衣 (2018-02-03 16:30)
すヽ虫などを籠にまゐらせ
秋 虫類 鈴虫・松虫・蛬は各1句物 「すヽ虫」を「すゞ虫」に変更。「ワード」の辞書では「ゝ」はひらがな、「ヽ」はカタカナの畳字記号。
あたヽめ酒を振舞ひにけり
秋 飲食物 「あたゝめ酒」は俳諧の季語と思っていましたが、調べてみると連歌の時代から秋の季語として使われていました。
月にや雲のまだらなるらん
時雨れふる竹の下草染分て
松の陰なる紅葉一むら
火をたけばあたゝめ酒の薄煙
酔にふす身をたれおこすらん
(紫野千句第8)
遠く幽かにころも(衣)(砧)うつ音
秋 衣打つ・砧打つは一座一句物。衣と衣は7句隔てる。衣か砧かの選択は、付け句作者のお好みで。
by 連歌楽歳 (2018-02-03 19:19)
宗匠さま
早速ご吟味頂き 有り難うございました。
くりかえし で変換致しました一番上のものを よく見ずに使って
居りましたが 此度よく見ますと (カタカナ)とございました。
以後改めます。 ありがとうございました。
また、脇 に 音(初音)がございましたので
遠く幽かにころも(砧)うつこゑ(声) とさせて頂きたく
よろしくお願い申し上げます。
先程は 申し忘れましたが (月よみの) 「大臣」 なる位取りは
さすがにと存じました。
本日は節分で 恵方巻き というものを重宝致しました が
コンビニの店員さん(ベトナムからいらしたとか)に 今年の
恵方は?とたずねますと ナムナムコイ (南南東)とのことでした。
宗匠さまは まさか丸かぢりなぞ なさいませんでしょうが
皆さまは如何でいらっしゃいましたか?
明日は はや立春! ドキッ!
路花さま 何卒よろしくお願い申し上げます。
by 羽衣 (2018-02-03 23:30)
「音」を「こゑ(声)」に変更。がってん承知。
ちなみに、
五月雨は滝のひゞきに残りけり 暁阿
露も玉ちるなつくさのうへ 永運
しげれども月に木の間の猶有て 二条良基
(文和千句第4)
また、文和千句第5の1折表で、
夏の夜もながしと月はまたれけり 周阿
中6句おいて、表8句目に
夜もあけがたの鐘ぞきこゆる 良基
by 連歌楽歳 (2018-02-04 00:05)
宗匠さま
恐れ入ります。
表 であっても 同字 気にしなくてよろしいのですね。
有り難うございました。
by 羽衣 (2018-02-04 02:50)
羽衣さま
表の同字については、曰く言い難いところがあります。
二条良基の著作に表の同字について特にコメントはありませんでした。二条良基のころの連歌では、規範としては表に同字を嫌うということはなく(5句去りのみ)、個人的な嗜好として同字を嫌う人もいれば気にしない人もいたということではなかろうかと、想像します。
時代が下って、16世紀末の秀吉の頃の応其『無言抄』に「同字 面八句は嫌なり。九句十句めより五句去りの字などはくるしからず」とあります。同じころの里村紹巴『至宝抄』には「面八句の内十句目までも不仕事、神祇・釈教・恋・無常または名所、其外さし出たる言葉など不仕候」とあるだけで、同字についてはふれていません。
表に同字を嫌う俳諧の習慣は『無言抄』の考え方を引きついだものと想像できますが、詳しいことは連歌・俳諧史の専門家に聞かないとわかりません。ちなみに、蕉門俳諧「牛流す」に、
牛流す村のさはぎや五月雨 (発句)
3句おいて
月影に苞の海鼠の下る也
2句おいて
お斎は月に十五はいある (1折裏第2句)
by 連歌楽歳 (2018-02-04 13:16)
宗匠さま
表の同字についてのご教示 大変勉強になりました。
ご解説頂き 表の同字を気に致したのは その「無言抄」の所為?
だったのか~ と面白く存じました。
いつもながらの行き届いたお導き 誠に有り難うございました。
本日は(とは限りませんが)ポカばかり致して暮れました。
午後の日のうすどんみりと春立てり 拙
皆さまには暖かくお過ごしくださいませ。
路花さま お待たせいたしました。
(猶、 あゝため酒⇒あたゝめ酒 にてよろしくお願い致します)
by 羽衣 (2018-02-04 23:43)
宗匠さま 皆さま
暦の上では春、とはいえ寒い毎日です。風邪をひき、蟄居の日々を過ごしております。残念ながら恵方巻も福豆もない節分でした。コンビニ店員さんの「ナムナムコイ」面白いですね。新しい百韻、お仲間に入れていただきありがとうございます。どうぞよろしくご指導くださいますようお願いいたします。
羽衣さまの
あた〵め酒を振る舞ひにけり
をいただきます。早く風邪が治して、あ〵ため酒を・・・いただきたいとの願いを込めて。
付句です。相も変わらず拙きものばかり、お許しくださいませ。
どうぞご指導お願いいたします。
まれびとに持たせやりたし菊膾
かりがねの声つややかに思ほへて
紅葉踏むかそけき音のかなたより
by 路花 (2018-02-05 17:47)
まれびとに持たせやりたし菊膾
秋 菊膾は俳諧秋の季語 飲食 人倫第7句の「大臣」と人倫の打越になります。連歌は人倫の打越を気にします。「まれびと」の部分、言い換えをご工夫願えますか。
かりがねの声つややかに思ほへて
秋 かりがね(雁)は2句物(秋1、春1)鳥類
紅葉踏むかそけき音のかなたより
秋 紅葉は3句物(只1、梅桜など1、草の紅葉1)木類
by 連歌楽歳 (2018-02-05 20:16)
宗匠さま
ありがとうございます。 まれびとに持たせやりたし菊膾
の句を直します。
糸遊を目で追ひ手には盃もちて
どうぞよろしくお願いいたします。
by 路花 (2018-02-06 13:03)
糸遊を目で追ひ手には盃もちて
「糸遊」は通常、陽炎のことで春の季語ですが、これを空中に漂う蜘蛛の糸ととれは秋の季語になるとする歳時記・季寄せもあります(例えば『十七季』)。
平凡社『世界大百科事典』には次のように書かれています。
「子グモが分散し独立生活に入る方法もいろいろだが、風や上昇気流を利用して遠隔の地にいく方式をとるものが多い。クモが空中を飛ぶことをバルーニング ballooning という。この現象が発生するには、二通りの原因が考えられる。(1)天候が快晴で風をほとんど感じない気象状況になると,上昇気流が発生しやすくなる。このようなときに孵化(ふか)した子グモが〈まどい〉という時期を経て,それぞれ独立生活に入るとき、イネの切株や畑の作物の先端に登り、しりを空に向け、糸をこの上昇気流に乗せると糸はぐんぐん空高くのびていく。そのうちに糸に浮力がついて、物にしがみつきがんばっている子グモを、ぴゅっぴゅっと大空に引っ張っていく。気流の状況いかんでは、かなり遠隔の地まで空中飛行ができる。日本では初春の暖かい日和にクモの空中飛行が行われると、これを雪送り、晩秋の小春日和に見られると雪迎えなどと呼んでいる。この場合は上昇気流がなければ、クモは空中を飛ぶことはできない。(2)風の吹いているときに行われるバルーニングは、クモが風に糸を流し、その糸に引っ張られるようなかっこうで空中飛行をする。アシダカグモHeteropoda venatoria では、〈まどい〉を終えて独立生活に入るとき、家の軒先などからこの方法で風に飛ばされて分散していく。この情景は夏によく見られる。また春一番の風が吹くころ、飛行機に捕虫網をとりつけて、知多半島の2500m上空を飛んだことがあるが、この風に乗って飛行中のヤミイロカニグモの幼生を採集したことがある。この場合は風がなければ、クモは空中を飛行することはできない。とにかく(1)、(2)の方法でクモは、はねがなくても空を飛び、陸地から何百kmも離れた絶海の孤島にもいくことができるのである。なお,クモの糸だけが空中を飛んでいるものを遊糸gosamer と呼んでいる」(gossamerが正しい)。
「糸遊(遊子)」を秋季とした例は、手持ちの『図説 俳句大歳時記』(角川書店)、戦前の虚子編『新歳時記』、改造社『俳諧歳時記』、『合本 俳句歳時記』(角川書店)に見当たりませんでした。
そういうわけで、「糸遊」を「かげろふ(蜉蝣)」に変えましょう。
また「盃」を「はい」と読ませると字音になりますので、
かげろふを見つつ盃さしだして
かげろふを見つつ盃さしだして 路花
秋 虫類 人体 飲食
ついでに、
唐物の白の器に菊膾
秋 飲食
いかがでしょうか?
by 連歌楽歳 (2018-02-06 18:30)