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電脳網千句第8  賦何垣百韻  4折裏  2018.1.7~2019.1.15

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  ぜえぜえと荒るる喉を宥めつつ        姫
   遠く聞こゆる飴売りの声           香
  静けさのきはみの底の忘れ河        草
   伏せし想ひのときにせきあげ        月
  ながらへし者こそあはれ徒野に        梯
   すゞろに綴る方丈の日記           舎
  璞の言葉を磨く花の朝             風
   ひかり放ちてのぼる若鮎           衣      
   
 
    
  

 

 

 

 

 

 

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電脳網千句第8 賦何垣百韻 4折表    2018.1.7~

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     古き壺ひとつ掘りあて抱きゆく      梯
      野には朝陽の静やかに射し      舎
     くたかけの声の力をうれしとも      風
      筆にこめたるたましひのいろ      衣
     海越えて流さるる今日濃き愁ひ     歳
      ゆるさぬことをゆるされてをり      姫
     冬枯れの枝を手折りて火にくぶる    香
      毛衣を縫ふ刀自が鄙歌         草
     山がつの垣訪ふものは風ばかり    月
      季の移ろひ空に問ひかけ        梯
     井に汲める若水に月鎮もりて       舎
      春の一字を掛けしやはらぎ       風
     あはれにもをかしき種を蒔くこゝろ    衣
      熊野烏の鳴かぬ日はなし        歳
       

  

 

 

  


 

 


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電脳網千句第8 賦何垣百韻 3折裏    2018.1.7~

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   防人は霞める空を仰ぎ見て        
    ふる里思ひ春の野に立つ        姫
   あふれ咲く花の枝より鳥の声       香
    つばいもちひの届くうららか       草
   朝市に積まれし絵皿いとゆかし      月
    目閉ぢ目を開け居眠れる猫       梯
   前うしろ山あるむらの冬ごもり       舎
    帰らざるもの雪のながめに        風
   うつくしきひと夜の月の物語        衣
    君待つ宿に萩は乱れて          歳
   文を書く手をとめて聞く虫の声       姫
    吊るし柿にも艶のありしや        香
   閼伽桶に汲みいれし水さらさらと  草
   御佛の顔あふぐ目出度さ     月

 


   



   
   


 

 








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電脳網千句第8 賦何垣百韻 3折表  2018.1.7~

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   真間の井に汲めるをとめご嫋やかに    月
    木下闇にますらをの待つ          梯
   みやまぢは雨にやならむ風のいろ      舎
    鳴きながらゆくからす三つ四つ       風
   神垣に祝詞あがればつゝがなく       衣
    祠に初穂奉る秋                歳
   蔦紅葉人は知らねど色映えて        姫
    何処へ止まるやとんばうの翅       香
   いつのまに涙にむせぶまむまろき月    草
    仄かに揺れて詩となるらむ         月
   浜風に塩やく煙たなびきて          梯
    日暮近づき募るこひしさ           舎
   世にあらば幾年のちの逢瀬あれ      風
    
折り目正しく結ぶ玉梓            衣
     


      


  




 

 

 

 

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電脳網千句第8 賦何垣百韻 2折裏 2018.1.7~

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   つまもまた衣うつ音きくならん        衣
    旅にあらねど旅のこころを         風
   棹さしてうつせみの世を渡りゆく      姫
    ときに早瀬の浮きつ沈みつ        歳
   言の葉のことなる端のおもしろく      草
    かぎろふ辺り馬を追ひつつ        月
   思ふどち永きひと日を遊び和ぐ       梯
    馴染し里に花の舞ひ初め         舎
   旗の音混じりて風のおぼろなる       風
    御(み)しるしなきもとぶらひて候     衣
   僧ひとり荒野の冬の月の道         歳
    打ち棄てし名の口惜しき夜        姫
   白湯そそぐ器に深き藍のいろ        香
    まつさととあるしもうさの邑        草
    






     


 

       





  

 

 

 

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電脳網千句第8 賦何垣百韻 2折表 2018.1.7~

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  おどろおどろ陸奥のねぷたの浮かび出で      歳
   などて真直に狐花生ふ                香
  人住まぬ家に佇めば鶉なく              梯
   野分のあとのひとすぢの雲             舎
  かははらに流れしものを見てゐたり        風
   ただ朽ちぬるも定めなるらむ            衣
  されどわが胸に寄りくる子のありて         花
   まなこの映す小さきまことに            姫
  星屑の陸に墜ちつつ空を恋ひ           月 
   はるけくしのぶ隼の旅               草
  山守の足どり残す霜の道             香
   薪あたまになに語り行く             歳
  月の舟ほのかに傾ぐ夕まぐれ           舎
   荻のささやく野は末枯れて            梯
    
  

   



  

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電脳網千句第8 賦何垣百韻 1折裏 2018.1.7~

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  かげろふを見つめ盃さしいだし        路花
   訪ふものはただ秋の風           朝姫
  もののふの夢のあとなる関の扉に       月
   うみは鏡のごとくかがやく         草
  いさぎよく船出のときと告げたきを      香
   妃と誇り奪ひかへさむ           歳 
  いたはしや千と一つの夜を泣きて       舎
   枕にこめし思ひさまざま            梯
  襲(かさね)たる花のくれなゐ綻ぶも      衣
   筆持つ庭にあは雪ぞふる           風
  深山へと蝶の誘ふ道ゆかば           姫
   ふと懐かしき鄙歌の節             花
  潮干珠潮満珠の月涼し             草
   泥絵ゆらして宵宮の灯の            月
    


 

 

 

 

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電脳千句第8  賦何垣百韻  1折表  2018.1.7 ~

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   梅開くいまひとたびを連ね歌        千草
    春告鳥の初音きく頃           如月
   あさぼらけ霞む甍の波みえて        楽歳
    足の向くままたどる坂道         遊香
   おのづから謡ひいでたる杜若        夢梯
    ひんがしの空うちながめつつ       蘭舎
   月よみの大臣静かにうなだれて       梢風
    あたゝめ酒を振舞ひにけり        羽衣
  



  
 



  

 

 

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電脳千句第8 準備ページ

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各位

 

電脳千句の完成が先か、楽歳の老年認知症の発症が先か、来年からいよいよ秒読み段階に入ります。

 

2018115日(月曜日)から千句第8をスタートさせたいと考えています。ご参加いただける方は、114日までに、このページのコメント欄を使ってエントリーしてください。発句は別のルートでお願いいたしますので、最初にエントリーなさっても、発句が回ってくる心配はございません。

 

2017年12月18日

楽歳

 

 

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 エントリー 名簿 敬称略

 

 ① 梢風 (2017年12月19日)

 ② 羽衣 (2017年12月25日)

 ③ 路花 (2017年12月25日)

 ④ 千草 (2017年12月30日)

 ⑤ 如月/平成かも (2017年12月31日)

 ⑥ 楽歳 (2017年12月31日)

 ⑦ 遊香 (2018年1月3日)

 ⑧ 夢梯 (2018年1月4日)

 ⑨ 蘭舎 (2018年1月5日)

 

 

 

 

 

                              



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電脳千句第7  賦何水百韻  通し  2016.10.24~2017.11.6

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1折表

秋風や雲うち払ひ山尖る           楽歳

   つるぎを照らす月はいざよひ        羽衣

  文机にすすきひともと置かれゐて       路花

近づく冬の足音をきく           夢梯

  ゆるらかに磯わたりゆく田鶴のこゑ      蘭舎

   水棹のしづく散らす潮々          千草

  つぶれ石並べて遊ぶ子らの居り        遊香

   明けて涼しきるり色の空          梢風

1折裏

   大路ゆく網代車の物見窓           朝姫

   揺るるがままに夢のあとさき        如月

  契りきや花の舞ひ込む去年の里         衣

  思ひ募れば陽炎の燃ゆ            歳

   やはらかな牧を駆けゆく春の駒         梯

    萌黄匂の裾のゆらぎて            花

   折節はこころなきみも目を細め         草

    霧のしじまに盃を受く            舎

   かたわれの月を迎ふる高館に          風

  鳴くを忘れし虫のひと籠           香

   尼削ぎのみ髪傾げてをさな顔          月

    あな麗しき水茎のあと            姫

   濃く薄く心のうちをうつしける         歳

     つがはぬ鴛鴦をしのぶ独り寝         衣

2折表

    憂きことの重なるあした霜白く         花

    心づよきは老いの方人(かたうど)      梯      

此の山を越えば信濃のつかまの湯        舎

    み寺のいらか若葉がくれに          草

   連れ立ちてつつましげなる蝸牛         香

    たはむれせんと生れ出づる世         風

   たらちねの母の刺し子の麻の葉も        姫

    片時去らず想ふよすがに           月

鮎落ちて京(みやこ)に近き皿の上        衣

    訪ふ里の鶉鳴く宿              歳

   琵琶の音に誘はれ仰ぐのちの月         梯

    揺らす人なき柴の戸の揺れ          花

   うつし世にかなはぬ恋と知りながら       草

    なみだの川に架かる継ぎ橋          舎

2折裏

   くたびれて寝ぬる合間を夕さりぬ        風

    事あり顔を見るも見ざるも          香

  まほらまの山辺のみち鐘かすみ         月

    水温むころ旅立ちし人            姫

   墨染めに花のひとひら舞ひおちて        歳

    夢のまにまに蝶のたはぶれ          衣

   髪さげし乙女子の声はんなりと         花

    撫で育てしを奪ひゆくきみ          梯

   常夏にたゞ隔てじと慣へども          舎

    あけやすき夜の月はいづちに         草

   ひたひたと山の魑魅(すだま)の近づくや    香

    いをなどを食ふ者のすさまじ         風

   外つ國の銀(しろがね)の匙磨きつつ      姫

    閼伽水汲める古渡りの椀(まり)       月

3折表

   微かなるいくさの声は風に乗り         衣

    ひとのこころのやみのふかさよ        歳

   やがてみな西の涯へと往くものを        梯

    こゑも細りし冬の蚊なれば          花

   黒髪の冷たく重く寝もやらで          草

    ぬば玉の夜の衣返しつ             舎

   うたてしと起きて来る子のしらみぐさ        

    秋のいで湯に流すしがらみ          香

   産土神の千木に遊べる昼の月          月

    かそけき音は光より生(あ)れ        姫

   歌よみのあづま下りのつらねうた        歳

    僅か濁れるもてなしの酒           衣

   厨には菜を切る音のよくひびき         花

    手毬つく子のすがた優しく          梯

3折裏

   遠山に東風のたよりのとどくらん        舎

    おびただしくも青柳の糸           草

   すいすいと飛べる燕のうらやまし        香

    などて翁は籠を作るや            風

   忘れ得ぬ薫り残りし玉手箱           姫

    ほのと紅色てのひらの貝           月

   しらじらと明くる月夜のかたみとは       衣

    またの逢瀬を契る七夕            歳

     ひとり居の宿に侘しき遠砧           梯

    やすらふうちに時は過ぎ行き         歳

   物語書きはじめむと紙と筆           草

    あくがれあかす花のあだし野         舎

   みやこより流行り始める春着あり        風

    鄙の弥生に何ぞ求めむ               香

4折表

   引鶴に絡繰り唐子逆立し            月

    かいやぐら消え雲の棚引く          姫

   この浦に今朝も小舟で漕ぎ出でて        歳

    糸たぐり寄す罪ぞかなしき          衣

   なにゆゑか雑魚の命もいとほしく        花

    しはぶきひとつ冬空の下           梯

   凩の吹くもふかぬもうき名にて         舎

    ただ身すがらに慕ひ来ぬれば         草

   いくたびの闇をくぐりて秋の月         歳

    まつりごとには稲の穂をつみ         風

   小牡鹿の声聞く里の直会に           姫

    色なき風のわたる平城山           月

   いにしへを知るは樟ばかりなり         衣

    位捨つれば人も問ひ来ず           歳

4折裏

   冠や裃要らぬ嬉しさよ             梯

    さても今宵は箏(こと)など聞きに      花

   つつがなく帰りきませと門口に         草

    なごりの雲の行くもすずしき         舎  

湧く水に胸の透きゆく時を得て         風

 かづらの橋を揺らす春風           香

   咲き満つる神代の花のめでたさに             月

      日のあたたかく鶯の声                   姫

 

 

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