杜若咲く八橋のさと 宗砌
事なしぶ髪をけづりて朝月夜 香
恋に浮かるるころは過ぎても 歳
鄙なれば手向けの花も探しかね 花
首途をかざる鶯の声 衣
たび人も愁ひも春の風のなか 梯
いにしへ偲びめぐる八橋 月
さらはれていくかに空の白雲の 草
牛も来て飲むつくばひの水 風
あな尊とひかりこぼせる柿若葉 舎
絵扇ごしに影をうかがひ 香
殿ばらが裾ひるがへす鞠の庭 歳
三人集へばはしたなき声 花
思ふとも思ひのほかの通せん坊 衣
頼みをかくるかささぎの羽 梯
<進行表はこちら>
なつかしき影を宿して月のかほ 遊香秋 月 光物 夜分 後に「かほ」があるので、この懐かしき影は「おもかげ」で、恋の句、同時に懐旧ほれほれとかたぶく月をながめおり秋 月 光物 夜分 「ほれほれと」は放心状態でということだが、隣の人の存在すら忘れて月を眺めている姿が彷彿とし、恋の句事なしぶ髪をけづりて朝月夜秋 月 朝月夜や夜分 髪は身体 朝月夜の時間帯に髪に櫛を入れて何事もない風情は、ベテラン遊女か、ひとり寝の女房か。いずれにせよ、一ひねりした恋の句。 by 連歌楽歳 (2015-04-02 20:51)
<3折裏1>に事なしぶ髪をけづりて朝月夜 遊香を頂き、<3折裏2>付け 恋に浮かるるころは過ぎても 楽歳 さだめなき世のつれづれの恋 殿ばら好みは井出の下帯 * 恋に浮かるるころは過ぎても 楽歳雑 恋 さだめなき世のつれづれの恋雑 恋 世は5句もの(只1、浮世・世の中の間に1、恋の世1、前世1、後世1) 殿ばら好みは井出の下帯雑 恋(出手の下帯の逸話) 人倫 出手は地名(国郡) 下帯は衣裳 by 連歌楽歳 (2015-04-03 21:20)
昨夜の冷たい雨に桜が散ってしまいました。楽歳さまの 恋に浮かるるころは過ぎてもをいただきます。三折裏4です。帯といて己がやつれの愛おしく日暮るるに手向け花など探しかね昂ぶりて鶸色の帯選ぶ日もいつもながら気持ちばかり動いているのに、それが、全く句になりません。どうぞご指導くださいませ。 by 路花 (2015-04-05 15:48)
花に雨、ですか。花は散りその色となくながむればむなしき空に春雨ぞふる 式子内親王日本の詩歌は、岡本太郎風の「歓喜の爆発」がなく、どうも水っぽいですね。 * 帯といて己がやつれの愛おしく雑 人倫 恋離れの句でしょうね 日暮るるに手向け花など探しかね? 「手向け花」は正花になりうるか、「桜花」の同類か? 季はどうなるのか、作者およびみなさまのご見解をお示しください。日暮れは時分、朝月夜=夜分と打越につき、日暮るるに→この庭に、でいかがでしょうか、路花さま。昂ぶりて鶸(ひは)色の帯選ぶ日も雑 帯は衣類 日次の日 by 連歌楽歳 (2015-04-05 22:55)
楽歳様ありがとうございます。桜の満開ももちろん華やかで美しいのですが、昨朝、水たまりに散り敷いた桜もとても美しかったです。桜に春雨は似合うのですね。恋から離れていいのか、もう一つ恋がいいのか迷っていました。「手向け花」は、本当は「餞の」程度の意味に使いたかったのです、恋の相手に、恋にときめくことができた若い自分に、「餞」をしたいけれど、なかなかできない思いを詠えたらと思ったのですが、句としても舌足らずですね、しかも、調べたら、この「花」も桜なのですね。不勉強申し訳ありませんでした。でも、「この庭に」になると、立派な花でなく、小さなささやかな手向けのようになって、ここで使えないとしても、ダメな句に命が入った気がします、ありがとうございました。 by 路花 (2015-04-06 10:35)
さて、宿題になっている「手向け花」です。 日暮るる(この庭)に手向け花など探しかね岩波古語辞典をめくると、「手向け草」(手向けする物)、「手向け花」(神仏や死者の霊に手向ける花――「手向け花とて、咲遅れし桜を一本持たせけるに」西鶴・五人女)が載っています。いつもお世話になっている国際日本文化研究センターの連歌データベースで、「手向け花」をあたってみると使用例はありませんでした。そこで念のため「手向けの花」であたると、4本出てきました。①はるのみつ たむけのはなに むすひあけ②ほとけにも たむけのはなと うつしおき③たむけのはなは くさのひともと④わたつみの たむけのはなか なみのゆき④は独立の発句、①②③が百韻中の句ですが、(復刻版がないので、データベースのひらがな表記のまま解読すると、どうやら)前後の配置から正花の扱いです。「手向けの花」が正花であれば「手向け花」も正花としてあつかえるか、問題になります。「花野」は連歌・俳諧とも正花になりませんが、「野の花」は秋の正花としてつかわれた例があります(枯野の花ぞひとりのこれる 宗祇・三島千句第6-10)「草なる花のころとこそなれ」――二条良基は文和千句第2で草の花を秋の正花として使っていますが、「草花」となると、連歌・俳諧の季語としては登場してきません。このあたり、「夜の界の鐘の音」のように、いったい夜なのか、朝なのか、判断に迷うところです。そういうわけですか、作者から正花を意図したとお知らせを頂きましたので、これ以上の議論のぐるぐるまわりはやめて、「手向けの花」をつかって、春の正花といたしましょう。ついでに「わが庭に」ではなく、「鄙なれば」ではいかがでしょう? 鄙なれば手向けの花も探しかね春 花 鄙は地儀 手向けは神祇・釈教 by 連歌楽歳 (2015-04-06 22:16)
宗匠さま愈々花も名残の雨 もののあわれも一入です。扨、手向けの花 春の正花ということで 鄙なれば手向けの花も探しかね 路花さま 付け 不意を衝かれし春の言の葉 風の便りも絶えていという(糸遊) あやしき風の散らす糸遊 首途(門出)をかざる鶯の声() 猫のおくび(又はあくび)を誘うやは東風 いづくをはか(墓)と呼子鳥啼く 初中末春 まぜこぜにて粗製濫造、よろしくご指導くださいませ花疲れ 花冷え 皆さまにはお身体おいとい遊ばされますよう~ by 羽衣 (2015-04-07 12:27)
不意を衝かれし春の言の葉春 言の葉は2句もの(言の葉と言いて1、詞と言いて1、言の葉の道はこのほかにあるべし) 風の便りも絶えていとゆふいう(糸遊)春 糸遊 いとゆふ(糸遊)は聳物 風は吹物だが「風の便り」(風聞・手紙)となれば別物 あやしき風の散らす糸遊春 風は吹物 糸遊は聳物。陽炎は空気と光が作り出す現象ですから、風が吹けばはかなく消えます。 首途(門出)をかざる鶯の声春 鶯は鳥類 首途は「しゅと」だと漢語読みになるので、「かどで・かどいで」とよみます。旅 「かどでをかざる」「かどいでかざる」、作者はどちらがお好みでしょうか? 猫のおくび(又はあくび)を誘うやは東風春 東風は吹物 猫は獣類(5句前にシシ・クマがいます。獣と獣は5句) 連歌はちょっと気取った風雅をむねとする遊びですから「おくび・あくび」の類はご使用をお控えください。 いづくをはか(墓)と呼子鳥啼く春 呼子鳥は万葉集のころから歌に出てくる鳥ですが、見た人はいませんし、はっきりと鳴き声を聞いた人もいません。「人もなき深山のおくのよふこ鳥いく声なかは誰かこたへん」(前大納言尊氏・風雅和歌集)。ですが、なぜか連歌も俳諧も春の季語として引きずって来ています。ところで、「いづくをはかと」の意味を教えてください。 by 連歌楽歳 (2015-04-08 00:29)
宗匠さま早速に恐縮です。本日(このところ連日ですが)急ぎ出かける用があり慌ててご送信申し上げ大変失礼致しました。誠にみやび心乏しく 反省しきりです。何卒しばらくご寛容のほどまづ第一に もののあはれ と訂正申し上げたく 他にも仮名遣いの不備あり失礼致しました。不意は 漢語?と思いましたが電子辞書(拙の一番のたよりと致す処の)の用例に源氏がございましたので使わせて頂きました。首途は かどでをかざる でよろしければお願い致します。いづくをはかは いづこをはかと と打ったつもりでしたが失礼致しました。これは雅語・歌語五七語辞典 の墓のところで見つけたものですがどうも墓ではなく 計とか捗とかのはかの様です。どこをめあてにして という意味で 後せん和歌集(せんの字が出せません)何処をはかと君がとはまし・・・もうよろしゅうございましょう(笑い)何卒およろしき様にお導きいただきますようお願い申し上げます。また明日(もう今日かしら)もみやびに遠きところに出かけますので失礼の段おゆるしください~有り難うございました。 by 羽衣 (2015-04-08 02:45)
羽衣さま寒い中、お仕事ご苦労様です。「はか」は墓ではなくて、はかどるの方でしたか。説明ありがとうございました。 by 連歌楽歳 (2015-04-08 13:14)
恐れ入ります。有り難うございました。 誠に本日は 花冷えどころか花果ての雪 フロントガラスに受けつつ関越道をよろよろと行って参りました。 遠山は俄に春の雪化粧花の名残りの吉野かと見ゆせめてものみやび心でした~吉野にあくがれつつ~ by 羽衣 (2015-04-09 01:41)
夢梯さまから付け句を頂きました。 <3折裏4治定> 首途をかざる鶯の声 羽衣 <3折裏5付け> 吾が宿の小さく霞む峠路 夢梯 春風に愁ひを包み遊子ゆく 春の雲流るゝ方へ歩み去る 還る日のありやなしやと春の野へ 裏腹な思ひを秘めて春惜しむ * 吾が宿の小さく霞む峠路 夢梯春 旅 霞は聳物、峠は山類・路は地儀 吾宿は居所・人倫。5句前に山類(奥山)があり、ギリギリのところで障ります。とりあえず「吾が宿の小さく霞むつづら折れ」としておきます。 春風に愁ひを包み遊子ゆく春 旅 風は吹物 遊子は漢音なので、類語の旅人に代えましょう。 春風に愁ひを包み旅の人、では「遊子」が消えて少々ニュアンスに乏しいので、「たび人も愁ひも春の風のなか」あたりでいかがでしょうか?(春 旅 人倫 風、春風は2句もの、春風1、春の風1) 春の雲流るゝ方へ歩み去る春 旅 雲は聳物 還る日のありやなしやと春の野へ春 旅 日次の日 野は地儀 裏腹な思ひを秘めて春惜しむ春 この「思ひ」は恋の思いではなく、腹に一物の方の思いでしょう。 by 連歌楽歳 (2015-04-15 14:47)
夢梯さまから修正のはがきを頂きました。 裏腹な思ひを秘めて春惜しむ修正後 裏腹な思ひを秘めし春惜しむ「て」を「し」にかわりました。 by 連歌楽歳 (2015-04-16 20:03)
楽歳宗匠様、ご連衆の皆様いっこうにお天気が安定いたしませんが、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。長らくお待たせいたしまして、申し訳ございませんでした。まず、夢梯さまのお句は、 たび人も愁ひも春の風のなか を頂戴いたしたいと存じます。それに以下のように拙句を付けさせていただきたく存じます。 雲の行方を映す渓川 とうとうたらり流れゆく水 奥義への道狭く険しく 身を尽してぞ叶ふものあれ 箙の緒には乳母のてすさび いにしへ想ひめぐる八橋宗匠様、一直よろしくお願い申し上げます。 如月 by 如月 (2015-04-23 00:11)
けさは久しぶりの晴天です。太平洋側は冬の乾季が終わり、春雨、五月雨、夕立、秋雨と長い雨季に入ります。湿っぽいのはイヤですねえ。 雲の行方を映す渓川雑 雲(聳物) 渓川は「たにがわ」と読むのでしょうか。その場合、「渓=谷」が山類、川が水辺体 とうとうたらり流れゆく水雑 水辺用(水) 「とうとうたらり」は辞書によると能の冒頭の呪文のようなもの 奥義への道狭く険しく雑 「奥義」は漢音のなので 道の極めは狭く厳しくとしませんか? 身を尽してぞ叶ふものあれ雑 身は身体 ところで係り結びの助詞「ぞ」は、「かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける」のように連体形で受けるのでは? 身を尽してぞ叶ふものあるとしておきます。 箙の緒には乳母のてすさび雑 人倫(乳母) いにしへ想ひめぐる八橋雑 いにしへ(古)は1句もの 述懐・懐旧 八橋は業平ゆかりの三河の名所、水辺用(橋は5句もの、只1、御階1、梯1、名所1、浮橋1 ここの橋は名所) by 連歌楽歳 (2015-04-23 11:40)
楽歳宗匠さまご丁寧なる解説ならびにお手直し、まことにありがとうございました。文法知識の曖昧さには、お恥ずかしい限りです。また、奥義⇒道の極め のご一直、ありがとうございます。了解いたしました。千草さま治定よろしくお願い申し上げます。皆さまいよいよゴールデンウイークが近づいてまいりました。気温が高くなるようですね。よいお時間をお過ごしくださいませ。 by 如月 (2015-04-23 23:22)
如月様 いにしへ想ひめぐる八橋 如月こちらを頂戴いたします。付けふるさとは沢辺の草もなつかしく 千草ひとふしの東下りを口遊びをさな日のきさいのみやの物語さらはれていくかに空の白雲の楽歳様よろしくお願いいたします。 by 千草 (2015-04-27 07:02)
外出しましたが、暑い一日でした。 * ふるさとは沢辺の草もなつかしく 千草雑 故郷は2句もの(只1、旅1。打越に「たび人」がいるので、ここは只の故郷)居所 沢は 水辺体 草類 「故郷」と「古」は打越を嫌いますが、付け句については『連歌新式』に記載がありません。 ひとふしの東下りを口遊び雑 数詞 「東くだり」は「旅」を思わせますが、前句の八橋を受けて『伊勢物語』の「東下り」を引き出し、物語の「ひとふし」を「くちあそび」することで旅体から離れます。 をさな日のきさいのみやの物語雑 懐旧(おさな日) 「きさいのみや」は后宮=后なら人倫、后の館なら人倫+居所 さらはれていくかに空の白雲の雑 天象 聳物 by 連歌楽歳 (2015-04-27 20:28)
千草様治定、ありがとうございました。ところで、拙句を読み返しましたところ、いにしへ想ひ・・・ではなく、いにしへ偲び・・・のほうが語呂がいいかとも思えてきました。いかがでしょうか。千草様と宗匠様のお二方にお尋ねさせていただく次第です。後からこんなことを言いまして、申し訳ございません。 by 如月 (2015-04-28 10:33)
はい、了解。「いにしへ思ひ→いにしへ偲び」の件、治定なさった千草さまのご諒解があれば、直しましょう。千草さまからのの連絡をお持ちしています。 by 連歌楽歳 (2015-04-28 12:09)
如月様楽歳様ごめんください。想ひから偲びへのご一直につきまして付け句は「想ひ」につけたのでございましたが楽歳様の御了解もすでにございますので意味のニュアンスは変わりますが作者のお考えの通りでよろしいかと存じます。小旅行に出ておりましてお返事おそくなりまして失礼いたしました。 by 千草 (2015-04-29 23:44)
さらはれていくかに空の白雲の 千草 付 よしなし事を書き留める日々 梢風 畏れを知らぬ頃のすさびに 〃 牛も来て飲むつくばひの水 〃四国遍路と松山での連句大会に出て昨日戻りました。楽歳様よろしくお願い致します。 by 梢風 (2015-05-01 09:01)
遍路はるばるご帰還すぐに、付け句ありがとうございます。 * よしなし事を書き留める日々 梢風雑 日次の日 畏れを知らぬ頃のすさびに雑 懐旧・述懐 牛も来て飲むつくばひの水雑 獣類 つくばひ・水ともに水辺用 つくばひは茶庭の手水鉢で、ここに生きた牛が現れる風景は超現実的俳諧 by 連歌楽歳 (2015-05-01 14:11)
楽歳様 千草様 いにしへ偲び・・・への再治定、ありがとうございました。お騒がせして申し訳ありませんでした。お礼を申し上げるのが遅れておりますうちに、はやくもさらに新しい舞台がひらけています。今後の展開が楽しみです。梢風様お遍路の旅を無事に終えられ、また俵口連句大会のお仕事を済まされてのご帰京、お疲れ様でした。「超現実的俳諧」思い浮かべるだに愉快な景です。どうか、ゆっくりと旅のお疲れを癒してください。 by 如月 (2015-05-01 22:35)
若葉の目に染むころと相なり、こころも浮き立ちます。お遍路よりお戻りの、梢風さまのシュールな「超現実的俳諧」をいただきまして、牛も来て飲むつくばひの水 梢風付けあな尊(とう)とひかりこぼせる柿若葉 蘭舎かまおとに耳傾けてひとりすむこがれてぞ散る松の葉のおともなしちさきひとちさきいほりの葉隠れにうらやまの無心所着に分け入れば うらやま、うらは、浦が障れば裏でも。 まったくもって無心所着な付けにこそ・・・。 楽歳さま、なにとぞよしなにご吟味くださいませ。 蘭舎拝 by 蘭舎 (2015-05-04 12:57)
蘭舎さま治定の「牛も来て飲むつくばひの水 梢風」は、第6句「八橋」と水辺用の打越とあいなります。しかしながら、蕉風俳諧でいえば「異水辺越を嫌わず」程度の水辺打越ですし、「鹿も来て飲むつくばひの水」なら下手な連歌になりえますが、これが牛ではいまさらもうどうにもなりません。記念にこのままの形で残しておきましょう。<3折卯9付け> あな尊(とう)とひかりこぼせる柿若葉 蘭舎夏 柿の若葉は木の若葉で、連歌では夏、木類 「ひかり」は日の光のことで光物 「とうと」は「たふと」 芭蕉句の本歌取り かまおとに耳傾けてひとりすむ雑 「かまおと」は「釜音」か「窯音」か「鎌音」か。いずれにせよ、かそけき音が心にに染みるような独り暮らしの日々。一人は数詞、人倫 こがれてぞ散る松の葉のおともなし夏 茶色になって散る松の落ち葉の季節は夏 松は木類 恋の句と解釈することもできるが、つくばいの牛に恋の句がつけば、それは面白すぎというもの ちさきひとちさきいほりの葉隠れに雑 人倫 居所(いほり) 「葉隠に散りとどまれる花のみぞ忍びし人にあふ心地する 西行」の類なので、ここの葉は木類 うらやまの無心所着に分け入れば雑 「うらやま」を「浦山」と解するためには第6句の「八橋」が非水辺であるという了解が必要になります(水辺と水辺は5句隔てる)ので「裏山」と解釈しましょう。無心所着は漢語で、和語では「ざれごと」。「鯨とるさかしき海の底までも君だにすまば波路しのがん」。判断は次の詠み手にお任せしましょう。 by 連歌楽歳 (2015-05-04 17:29)
連休が終わり、日常がことのほか静かに感じられます。外の新緑に誘われて、蘭舎さまの夏の句をいただきました。あな尊とひかりこぼせる柿若葉付け薄物まとひ足のかろらか 遊香絵扇ごしに影をうかがひちさき息吹に扇かざせり天道虫の映るさみどり楽歳さま よろしくお手直しくださいませ! by 遊香 (2015-05-07 10:46)
薄物まとひ足のかろらか 遊香夏 薄物は俳諧では夏、連歌の頃は無季、衣類。足は人体 絵扇ごしに影をうかがひ夏 絵扇は俳諧では夏の季語ですが、連歌では夏の季語としての使用例は、調べた範囲では見当たりませんでした。 ちさき息吹に扇かざせり夏 扇かざす 天道虫の映るさみどり夏 天道虫は虫類で俳諧では夏の季語 古典連歌では使用例みあたらず、漢字臭を消すために「てんたう虫」の表記でいかが? さみどりは無季の語 *皆様の連休はいかがでしたか? by 連歌楽歳 (2015-05-07 19:41)
楽歳さま夏の季語を「連句・俳句辞典」に探し、連歌には例のない表現が多くなってしまいました。表記の件、「天道虫」を「てんたう虫」に、どうぞよろしくお願いいたします。 by 遊香 (2015-05-07 22:22)
追伸トップの写真は、何かの「目」でしょうか。ブログを開けて、今までで一番びっくりしました!鯉のぼりにしては、目が地味で小さいし…いったい何でしょう??? by 遊香 (2015-05-07 22:30)
3折裏10に、 絵扇ごしに影をうかがひ 遊香をいただき、<3折裏11付け> 殿ばらが裾ひるがへす鞠の庭 遥かなる野末に消ゆる旅衣 人知れずわがまなざしの色めきて * 殿ばらが裾ひるがへす鞠の庭雑 人倫(殿ばら) 裾(衣類) 蹴鞠を楽しむ場所を鞠の庭と言います。競技場なのか居所の庭なのかよくわかりませんが、庭の字があるので居所にしておきます。 遥かなる野末に消ゆる旅衣雑 旅 地儀(野) 衣類(衣)第5句に「たび人」がありますが、かろうじて5句をクリアしています。 人知れずわがまなざしの色めきて雑 前句との続きだと、恋の句でしょうか 人倫(人、わが) by 連歌楽歳 (2015-05-11 12:18)
楽歳さま写真のタネ明かしを、ありがとうございました。なるほど、ドコモダケの目でしたか!「まなざしの…」の付句を併せ読み、頬がゆるみました(笑)。 by 遊香 (2015-05-11 18:14)
楽歳様台風は、大きな被害を残さず去ったようでいいお天気です。それにしても箱根がどうなるのか、ネパールも再度の地震、岩手も・・何だか地球が怒っているような気がしてなりません。楽歳様の 殿ばらが裾ひうるがえす毬の庭をいただきます。以前、埼玉の博物館で蹴鞠保存会の方と一緒に試みたことがありました。実は、全くボールに触れられなかったのですが。けふ履き初めのやはらかき沓三人集へばはしたなき声匠の技にけふは見えず相変わらずの拙い句で申し訳ありません。どうぞよろしくご指導くださいませ。 by 路花 (2015-05-13 16:05)
<3折裏12付け> けふ履き初めのやはらかき沓雑 けふ(今日)は一座2句もの)沓は履き物 三人集へばはしたなき声雑 人倫 数詞 匠の技にけふは見えず雑 人倫 けふは2句もの 下7「けふは見えず」は1音足りないようです。何かぬけてませんか? by 連歌楽歳 (2015-05-13 21:40)
楽歳様付け句の三番目、「けふは見えず」は「まみえず」と読んでいただきたいと思ったのですが。三句ともすべて蹴鞠からの連想で、蛇足を申し上げてしまえば、「今のサッカーとは違って、蹴鞠には騒がしい応援などはないのですが、それでも、女御や侍女らの中には、お目当ての殿御もいて・・・」という説明を、保存会の方から聞いたのです。また、その時は、失礼ながらあまりお上手でなく、毬があらぬ方向に飛んだりしたのですが、「今日はエースが欠席で」と。 by 路花 (2015-05-14 07:18)
路花さま失礼しました。辞書を開くと、「見え=まみえ」とありました。楽歳 by 連歌楽歳 (2015-05-14 10:52)
宗匠さまいよいよ風鈴の季節ですね。昨夜など プレ熱帯夜のおもむき 寒さにも暑さにも潮垂れ勝ちの不甲斐なきわが身なりけり でございました。いつもながらの楽しいお写真 有り難うございました。扨 折端になりましょうか? 三人集へばはしたなき声 路花さま を頂こうと存じますが折端振りなるものがございますでしょうか? 万が一の場合 けふ履き初めのやはらかき沓 路花さま にてお願い致します 付け ものがたり(物語)(もの語る)さても雨夜の品定め しら峯の祟りかいたう(いたく)渇きたる 思ふとも思いのほかの通せんぼ(通せん坊)(知らぬふり) くはだての源辿るたふのみね(多武峰) みやこをばあらぬ噂の風たちて(嵐たち)愛犬の調子わるく明るい転じになりません。何卒よろしくお導きください。今日も暑くなりそう~ 皆さまお大切に~ by 羽衣 (2015-05-15 13:49)
お犬様もお大事に。 ものがたり(物語)(もの語る)さても雨夜の品定め雑 夜分 降物(ただ雨とすれば一座一句物で、すでに2折裏第6で出ていますが、「雨夜」という熟語は別の一座一句物に指定されています) 本説・源氏物語 「ものがたり」がよろしいかと存じます。「ものがたりさても雨夜の品定め」 しら峯の祟りかいたう(いたく)渇きたる雑 「しら峯」は崇徳院のお墓がある香川の白峯寺か、崇徳院ゆかりの京都の白峯神社かの何れかでしょう。怨念の強さは同じでしょうが、釈教と神祇の違いが出てきます。京都の神社は蹴鞠や各種球技の守護神とされていますので、打越の「鞠の庭」と気分的に障ります。四国の寺ということにしましょう。釈教。崇徳院のたたりという落語風の因果話が匂いますので、硬さの残る「いたく」より「いたう」の方がよろしいかと思います。「しら峯の祟りかいたう渇きたる」 思ふとも思いのほかの通せんぼ(通せん坊)(知らぬふり)雑 思ふは恋の常套語で句意も恋模様 「通せん坊」は民話風に人倫とし恋の邪魔者と解した方が楽しそうですね。「思ふとも思ひのほかの通せん坊」 くはだての源辿るたふのみね(多武峰)雑 名所 山類 本説・大化改新 ちょうど今頃、多武峰・談山神社あたりは緑のきれいなころでしょう。漢字で多武峰がよろしいかと存じます みやこをばあらぬ噂の風たちて(嵐たち)雑 みやこは三句もの(只1、名所1、旅1)で国郡 風は吹物、嵐なら吹物で一座一句物 風評ということで風にしましょう。恋の風評ということで、付け句によっては恋の句。「みやこをばあらぬ噂の風たちて」 by 連歌楽歳 (2015-05-15 20:52)
訂正先の句材分析で「通せん坊」を民話風の人倫ととる提案をしましたが、2句前の「殿ばら」と人倫打越になります。「障害物」と受け取ることにしましょう。 by 連歌楽歳 (2015-05-15 21:18)
宗匠さま明快なご教示 有り難うござました。 只今 大変な思い違いに気づきました。まだ折端ではなかった様で誠に失礼致しました。旧仮名もひとつ直し忘れ(思ひ)いつもながらのおっちょこちょい どうしようもないようで。(がっくり!)ご寛容のほど 誠に恐縮致しおります。 by 羽衣 (2015-05-15 22:29)
夢梯さまから、次の3折裏13治定、同14付け句をいただきました。 * 行く手遮るからたちの棘 夢梯 頼みををかくるかささぎの羽 河波暗く渡る瀬もなき 渡らふ鳥を羨ましとぞ見る せめてわたらむ夢の浮橋 涙の川に浮き沈みして * 行く手遮るからたちの棘 夢梯雑 「うきひとを枳殻垣より…」という恋の句なのでしょうが、残念、からたちの5句前に柿若葉があります(木と木は5句隔てる) 頼みをかくるかささぎの羽秋 鳥類(かささぎは俳諧で秋) かささぎは七夕のデートのおぜんだて役。恋の句 河波暗く渡る瀬もなき雑 水辺体・用 鳥類 「ちはやぶる」の暗い方の連想で、恋の難局。次に完成型の恋の句が出れば、「思ふとも…」「…わたる瀬も無き」も恋の句として同時成立 渡らふ鳥を羨ましとぞ見る雑 鳥類 前句との関係で、双方弱い恋の句となる せめてわたらむ夢の浮橋雑 橋は5句もの(只1、御階1、梯1、名所1、浮橋1) 夢は夜分 夢は恋の連想「恋ひわびてうち寝るなかに行きかよふ夢の直路はうつゝならなむ 藤原敏行・古今集」 涙の川に浮き沈みして雑 涙の川は非水辺 涙は連歌では恋の句の常套句 by 連歌楽歳 (2015-05-22 23:44)
おやまあ、夢梯さま治定の羽衣様の句を書き忘れていました。 思ふとも思ひのほかの通せん坊 羽衣たいへん失礼いたしました。お詫び申し上げます。楽歳拝 by 連歌楽歳 (2015-05-23 01:48)
宗匠様、夢梯様、ご連衆の皆様聖母月・聖五月と讃えられ、新樹や麦畑や薔薇苑を渡る爽やかな風が心地よい……筈の五月ですのに、真夏日がつづく異常な事態になっております。ご無沙汰をいたしておりましたが、皆様、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。夢梯さまのお句から 頼みをかくるかささぎの羽 を頂戴いたしまして、遅くなりましたが、以下、拙付をお送りさせていただきます。 臥待にあだなき髪の耀ひて 徒臥の髪つくよみに耀へり (つくよみは月読。漢字が続くので仮名にしました。) 星合の閨にただよふ残り香の 手弱女の水茎美しき梶の葉に 今はただ簾名残のおもかげに 千草様、宗匠様、ご一直のほど、よろしくお願い申し上げます。 如月 by 如月 (2015-05-28 23:47)
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なつかしき影を宿して月のかほ 遊香
秋 月 光物 夜分 後に「かほ」があるので、この懐かしき影は「おもかげ」で、恋の句、同時に懐旧
ほれほれとかたぶく月をながめおり
秋 月 光物 夜分 「ほれほれと」は放心状態でということだが、隣の人の存在すら忘れて月を眺めている姿が彷彿とし、恋の句
事なしぶ髪をけづりて朝月夜
秋 月 朝月夜や夜分 髪は身体 朝月夜の時間帯に髪に櫛を入れて何事もない風情は、ベテラン遊女か、ひとり寝の女房か。いずれにせよ、一ひねりした恋の句。
by 連歌楽歳 (2015-04-02 20:51)
<3折裏1>に
事なしぶ髪をけづりて朝月夜 遊香
を頂き、
<3折裏2>付け
恋に浮かるるころは過ぎても 楽歳
さだめなき世のつれづれの恋
殿ばら好みは井出の下帯
*
恋に浮かるるころは過ぎても 楽歳
雑 恋
さだめなき世のつれづれの恋
雑 恋 世は5句もの(只1、浮世・世の中の間に1、恋の世1、前世1、後世1)
殿ばら好みは井出の下帯
雑 恋(出手の下帯の逸話) 人倫 出手は地名(国郡) 下帯は衣裳
by 連歌楽歳 (2015-04-03 21:20)
昨夜の冷たい雨に桜が散ってしまいました。
楽歳さまの
恋に浮かるるころは過ぎても
をいただきます。
三折裏4です。
帯といて己がやつれの愛おしく
日暮るるに手向け花など探しかね
昂ぶりて鶸色の帯選ぶ日も
いつもながら気持ちばかり動いているのに、それが、全く句になりません。どうぞご指導くださいませ。
by 路花 (2015-04-05 15:48)
花に雨、ですか。
花は散りその色となくながむればむなしき空に春雨ぞふる 式子内親王
日本の詩歌は、岡本太郎風の「歓喜の爆発」がなく、どうも水っぽいですね。
*
帯といて己がやつれの愛おしく
雑 人倫 恋離れの句でしょうね
日暮るるに手向け花など探しかね
? 「手向け花」は正花になりうるか、「桜花」の同類か? 季はどうなるのか、作者およびみなさまのご見解をお示しください。日暮れは時分、朝月夜=夜分と打越につき、日暮るるに→この庭に、でいかがでしょうか、路花さま。
昂ぶりて鶸(ひは)色の帯選ぶ日も
雑 帯は衣類 日次の日
by 連歌楽歳 (2015-04-05 22:55)
楽歳様
ありがとうございます。桜の満開ももちろん華やかで美しいのですが、昨朝、水たまりに散り敷いた桜もとても美しかったです。桜に春雨は似合うのですね。
恋から離れていいのか、もう一つ恋がいいのか迷っていました。
「手向け花」は、本当は「餞の」程度の意味に使いたかったのです、恋の相手に、恋にときめくことができた若い自分に、「餞」をしたいけれど、なかなかできない思いを詠えたらと思ったのですが、句としても舌足らずですね、しかも、調べたら、この「花」も桜なのですね。不勉強申し訳ありませんでした。
でも、「この庭に」になると、立派な花でなく、小さなささやかな手向けのようになって、ここで使えないとしても、ダメな句に命が入った気がします、ありがとうございました。
by 路花 (2015-04-06 10:35)
さて、宿題になっている「手向け花」です。
日暮るる(この庭)に手向け花など探しかね
岩波古語辞典をめくると、「手向け草」(手向けする物)、「手向け花」(神仏や死者の霊に手向ける花――「手向け花とて、咲遅れし桜を一本持たせけるに」西鶴・五人女)が載っています。
いつもお世話になっている国際日本文化研究センターの連歌データベースで、「手向け花」をあたってみると使用例はありませんでした。そこで念のため「手向けの花」であたると、4本出てきました。
①はるのみつ たむけのはなに むすひあけ
②ほとけにも たむけのはなと うつしおき
③たむけのはなは くさのひともと
④わたつみの たむけのはなか なみのゆき
④は独立の発句、①②③が百韻中の句ですが、(復刻版がないので、データベースのひらがな表記のまま解読すると、どうやら)前後の配置から正花の扱いです。
「手向けの花」が正花であれば「手向け花」も正花としてあつかえるか、問題になります。「花野」は連歌・俳諧とも正花になりませんが、「野の花」は秋の正花としてつかわれた例があります(枯野の花ぞひとりのこれる 宗祇・三島千句第6-10)
「草なる花のころとこそなれ」――二条良基は文和千句第2で草の花を秋の正花として使っていますが、「草花」となると、連歌・俳諧の季語としては登場してきません。このあたり、「夜の界の鐘の音」のように、いったい夜なのか、朝なのか、判断に迷うところです。
そういうわけですか、作者から正花を意図したとお知らせを頂きましたので、これ以上の議論のぐるぐるまわりはやめて、「手向けの花」をつかって、春の正花といたしましょう。ついでに「わが庭に」ではなく、「鄙なれば」ではいかがでしょう?
鄙なれば手向けの花も探しかね
春 花 鄙は地儀 手向けは神祇・釈教
by 連歌楽歳 (2015-04-06 22:16)
宗匠さま
愈々花も名残の雨 もののあわれも一入です。
扨、手向けの花 春の正花ということで
鄙なれば手向けの花も探しかね 路花さま
付け
不意を衝かれし春の言の葉
風の便りも絶えていという(糸遊)
あやしき風の散らす糸遊
首途(門出)をかざる鶯の声()
猫のおくび(又はあくび)を誘うやは東風
いづくをはか(墓)と呼子鳥啼く
初中末春 まぜこぜにて粗製濫造、よろしくご指導くださいませ
花疲れ 花冷え 皆さまにはお身体おいとい遊ばされますよう~
by 羽衣 (2015-04-07 12:27)
不意を衝かれし春の言の葉
春 言の葉は2句もの(言の葉と言いて1、詞と言いて1、言の葉の道はこのほかにあるべし)
風の便りも絶えていとゆふいう(糸遊)
春 糸遊 いとゆふ(糸遊)は聳物 風は吹物だが「風の便り」(風聞・手紙)となれば別物
あやしき風の散らす糸遊
春 風は吹物 糸遊は聳物。陽炎は空気と光が作り出す現象ですから、風が吹けばはかなく消えます。
首途(門出)をかざる鶯の声
春 鶯は鳥類 首途は「しゅと」だと漢語読みになるので、「かどで・かどいで」とよみます。旅 「かどでをかざる」「かどいでかざる」、作者はどちらがお好みでしょうか?
猫のおくび(又はあくび)を誘うやは東風
春 東風は吹物 猫は獣類(5句前にシシ・クマがいます。獣と獣は5句) 連歌はちょっと気取った風雅をむねとする遊びですから「おくび・あくび」の類はご使用をお控えください。
いづくをはか(墓)と呼子鳥啼く
春 呼子鳥は万葉集のころから歌に出てくる鳥ですが、見た人はいませんし、はっきりと鳴き声を聞いた人もいません。「人もなき深山のおくのよふこ鳥いく声なかは誰かこたへん」(前大納言尊氏・風雅和歌集)。ですが、なぜか連歌も俳諧も春の季語として引きずって来ています。ところで、「いづくをはかと」の意味を教えてください。
by 連歌楽歳 (2015-04-08 00:29)
宗匠さま
早速に恐縮です。
本日(このところ連日ですが)急ぎ出かける用があり慌ててご送信
申し上げ大変失礼致しました。
誠にみやび心乏しく 反省しきりです。
何卒しばらくご寛容のほど
まづ第一に もののあはれ と訂正申し上げたく 他にも仮名遣いの
不備あり失礼致しました。
不意は 漢語?と思いましたが電子辞書(拙の一番のたよりと致す処の)
の用例に源氏がございましたので使わせて頂きました。
首途は かどでをかざる でよろしければお願い致します。
いづくをはかは いづこをはかと と打ったつもりでしたが失礼致しました。これは雅語・歌語五七語辞典 の墓のところで見つけたものですが
どうも墓ではなく 計とか捗とかのはかの様です。
どこをめあてにして という意味で 後せん和歌集(せんの字が出せません)何処をはかと君がとはまし・・・もうよろしゅうございましょう(笑い)
何卒およろしき様にお導きいただきますようお願い申し上げます。
また明日(もう今日かしら)もみやびに遠きところに出かけますので
失礼の段おゆるしください~有り難うございました。
by 羽衣 (2015-04-08 02:45)
羽衣さま
寒い中、お仕事ご苦労様です。
「はか」は墓ではなくて、はかどるの方でしたか。説明ありがとうございました。
by 連歌楽歳 (2015-04-08 13:14)
恐れ入ります。有り難うございました。
誠に本日は 花冷えどころか花果ての雪 フロントガラスに受けつつ
関越道をよろよろと行って参りました。
遠山は俄に春の雪化粧花の名残りの吉野かと見ゆ
せめてものみやび心でした~吉野にあくがれつつ~
by 羽衣 (2015-04-09 01:41)
夢梯さまから付け句を頂きました。
<3折裏4治定>
首途をかざる鶯の声 羽衣
<3折裏5付け>
吾が宿の小さく霞む峠路 夢梯
春風に愁ひを包み遊子ゆく
春の雲流るゝ方へ歩み去る
還る日のありやなしやと春の野へ
裏腹な思ひを秘めて春惜しむ
*
吾が宿の小さく霞む峠路 夢梯
春 旅 霞は聳物、峠は山類・路は地儀 吾宿は居所・人倫。5句前に山類(奥山)があり、ギリギリのところで障ります。とりあえず「吾が宿の小さく霞むつづら折れ」としておきます。
春風に愁ひを包み遊子ゆく
春 旅 風は吹物 遊子は漢音なので、類語の旅人に代えましょう。
春風に愁ひを包み旅の人、では「遊子」が消えて少々ニュアンスに乏しいので、
「たび人も愁ひも春の風のなか」あたりでいかがでしょうか?
(春 旅 人倫 風、春風は2句もの、春風1、春の風1)
春の雲流るゝ方へ歩み去る
春 旅 雲は聳物
還る日のありやなしやと春の野へ
春 旅 日次の日 野は地儀
裏腹な思ひを秘めて春惜しむ
春 この「思ひ」は恋の思いではなく、腹に一物の方の思いでしょう。
by 連歌楽歳 (2015-04-15 14:47)
夢梯さまから修正のはがきを頂きました。
裏腹な思ひを秘めて春惜しむ
修正後
裏腹な思ひを秘めし春惜しむ
「て」を「し」にかわりました。
by 連歌楽歳 (2015-04-16 20:03)
楽歳宗匠様、ご連衆の皆様
いっこうにお天気が安定いたしませんが、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。長らくお待たせいたしまして、申し訳ございませんでした。
まず、夢梯さまのお句は、
たび人も愁ひも春の風のなか を頂戴いたしたいと存じます。
それに以下のように拙句を付けさせていただきたく存じます。
雲の行方を映す渓川
とうとうたらり流れゆく水
奥義への道狭く険しく
身を尽してぞ叶ふものあれ
箙の緒には乳母のてすさび
いにしへ想ひめぐる八橋
宗匠様、一直よろしくお願い申し上げます。
如月
by 如月 (2015-04-23 00:11)
けさは久しぶりの晴天です。太平洋側は冬の乾季が終わり、春雨、五月雨、夕立、秋雨と長い雨季に入ります。湿っぽいのはイヤですねえ。
雲の行方を映す渓川
雑 雲(聳物) 渓川は「たにがわ」と読むのでしょうか。その場合、「渓=谷」が山類、川が水辺体
とうとうたらり流れゆく水
雑 水辺用(水) 「とうとうたらり」は辞書によると能の冒頭の呪文のようなもの
奥義への道狭く険しく
雑 「奥義」は漢音のなので
道の極めは狭く厳しく
としませんか?
身を尽してぞ叶ふものあれ
雑 身は身体 ところで係り結びの助詞「ぞ」は、「かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける」のように連体形で受けるのでは?
身を尽してぞ叶ふものある
としておきます。
箙の緒には乳母のてすさび
雑 人倫(乳母)
いにしへ想ひめぐる八橋
雑 いにしへ(古)は1句もの 述懐・懐旧 八橋は業平ゆかりの三河の名所、水辺用(橋は5句もの、只1、御階1、梯1、名所1、浮橋1 ここの橋は名所)
by 連歌楽歳 (2015-04-23 11:40)
楽歳宗匠さま
ご丁寧なる解説ならびにお手直し、まことにありがとうございました。
文法知識の曖昧さには、お恥ずかしい限りです。また、奥義⇒道の極め のご一直、ありがとうございます。了解いたしました。
千草さま
治定よろしくお願い申し上げます。
皆さま
いよいよゴールデンウイークが近づいてまいりました。気温が高くなるようですね。よいお時間をお過ごしくださいませ。
by 如月 (2015-04-23 23:22)
如月様
いにしへ想ひめぐる八橋 如月
こちらを頂戴いたします。
付け
ふるさとは沢辺の草もなつかしく 千草
ひとふしの東下りを口遊び
をさな日のきさいのみやの物語
さらはれていくかに空の白雲の
楽歳様
よろしくお願いいたします。
by 千草 (2015-04-27 07:02)
外出しましたが、暑い一日でした。
*
ふるさとは沢辺の草もなつかしく 千草
雑 故郷は2句もの(只1、旅1。打越に「たび人」がいるので、ここは只の故郷)居所 沢は 水辺体 草類 「故郷」と「古」は打越を嫌いますが、付け句については『連歌新式』に記載がありません。
ひとふしの東下りを口遊び
雑 数詞 「東くだり」は「旅」を思わせますが、前句の八橋を受けて『伊勢物語』の「東下り」を引き出し、物語の「ひとふし」を「くちあそび」することで旅体から離れます。
をさな日のきさいのみやの物語
雑 懐旧(おさな日) 「きさいのみや」は后宮=后なら人倫、后の館なら人倫+居所
さらはれていくかに空の白雲の
雑 天象 聳物
by 連歌楽歳 (2015-04-27 20:28)
千草様
治定、ありがとうございました。
ところで、拙句を読み返しましたところ、
いにしへ想ひ・・・ではなく、
いにしへ偲び・・・のほうが語呂がいいかとも思えてきました。
いかがでしょうか。
千草様と宗匠様のお二方にお尋ねさせていただく次第です。
後からこんなことを言いまして、申し訳ございません。
by 如月 (2015-04-28 10:33)
はい、了解。
「いにしへ思ひ→いにしへ偲び」
の件、治定なさった千草さまのご諒解があれば、
直しましょう。千草さまからのの連絡をお持ちしています。
by 連歌楽歳 (2015-04-28 12:09)
如月様
楽歳様
ごめんください。
想ひから偲びへのご一直につきまして
付け句は「想ひ」につけたのでございましたが
楽歳様の御了解もすでにございますので
意味のニュアンスは変わりますが
作者のお考えの通りでよろしいかと存じます。
小旅行に出ておりましてお返事おそくなりまして
失礼いたしました。
by 千草 (2015-04-29 23:44)
さらはれていくかに空の白雲の 千草
付
よしなし事を書き留める日々 梢風
畏れを知らぬ頃のすさびに 〃
牛も来て飲むつくばひの水 〃
四国遍路と松山での連句大会に出て昨日戻りました。楽歳様よろしくお願い致します。
by 梢風 (2015-05-01 09:01)
遍路はるばるご帰還すぐに、付け句ありがとうございます。
*
よしなし事を書き留める日々 梢風
雑 日次の日
畏れを知らぬ頃のすさびに
雑 懐旧・述懐
牛も来て飲むつくばひの水
雑 獣類 つくばひ・水ともに水辺用 つくばひは茶庭の手水鉢で、ここに生きた牛が現れる風景は超現実的俳諧
by 連歌楽歳 (2015-05-01 14:11)
楽歳様
千草様
いにしへ偲び・・・への再治定、ありがとうございました。
お騒がせして申し訳ありませんでした。お礼を申し上げるのが遅れておりますうちに、はやくもさらに新しい舞台がひらけています。今後の展開が楽しみです。
梢風様
お遍路の旅を無事に終えられ、また俵口連句大会のお仕事を済まされてのご帰京、お疲れ様でした。
「超現実的俳諧」思い浮かべるだに愉快な景です。
どうか、ゆっくりと旅のお疲れを癒してください。
by 如月 (2015-05-01 22:35)
若葉の目に染むころと相なり、こころも浮き立ちます。
お遍路よりお戻りの、梢風さまのシュールな「超現実的俳諧」をいただきまして、
牛も来て飲むつくばひの水 梢風
付け
あな尊(とう)とひかりこぼせる柿若葉 蘭舎
かまおとに耳傾けてひとりすむ
こがれてぞ散る松の葉のおともなし
ちさきひとちさきいほりの葉隠れに
うらやまの無心所着に分け入れば
うらやま、うらは、浦が障れば裏でも。
まったくもって無心所着な付けにこそ・・・。
楽歳さま、なにとぞよしなにご吟味くださいませ。 蘭舎拝
by 蘭舎 (2015-05-04 12:57)
蘭舎さま治定の「牛も来て飲むつくばひの水 梢風」は、第6句「八橋」と水辺用の打越とあいなります。しかしながら、蕉風俳諧でいえば「異水辺越を嫌わず」程度の水辺打越ですし、「鹿も来て飲むつくばひの水」なら下手な連歌になりえますが、これが牛ではいまさらもうどうにもなりません。記念にこのままの形で残しておきましょう。
<3折卯9付け>
あな尊(とう)とひかりこぼせる柿若葉 蘭舎
夏 柿の若葉は木の若葉で、連歌では夏、木類 「ひかり」は日の光のことで光物 「とうと」は「たふと」 芭蕉句の本歌取り
かまおとに耳傾けてひとりすむ
雑 「かまおと」は「釜音」か「窯音」か「鎌音」か。いずれにせよ、かそけき音が心にに染みるような独り暮らしの日々。一人は数詞、人倫
こがれてぞ散る松の葉のおともなし
夏 茶色になって散る松の落ち葉の季節は夏 松は木類 恋の句と解釈することもできるが、つくばいの牛に恋の句がつけば、それは面白すぎというもの
ちさきひとちさきいほりの葉隠れに
雑 人倫 居所(いほり) 「葉隠に散りとどまれる花のみぞ忍びし人にあふ心地する 西行」の類なので、ここの葉は木類
うらやまの無心所着に分け入れば
雑 「うらやま」を「浦山」と解するためには第6句の「八橋」が非水辺であるという了解が必要になります(水辺と水辺は5句隔てる)ので「裏山」と解釈しましょう。無心所着は漢語で、和語では「ざれごと」。「鯨とるさかしき海の底までも君だにすまば波路しのがん」。判断は次の詠み手にお任せしましょう。
by 連歌楽歳 (2015-05-04 17:29)
連休が終わり、日常がことのほか静かに感じられます。
外の新緑に誘われて、蘭舎さまの夏の句をいただきました。
あな尊とひかりこぼせる柿若葉
付け
薄物まとひ足のかろらか 遊香
絵扇ごしに影をうかがひ
ちさき息吹に扇かざせり
天道虫の映るさみどり
楽歳さま よろしくお手直しくださいませ!
by 遊香 (2015-05-07 10:46)
薄物まとひ足のかろらか 遊香
夏 薄物は俳諧では夏、連歌の頃は無季、衣類。足は人体
絵扇ごしに影をうかがひ
夏 絵扇は俳諧では夏の季語ですが、連歌では夏の季語としての使用例は、調べた範囲では見当たりませんでした。
ちさき息吹に扇かざせり
夏 扇かざす
天道虫の映るさみどり
夏 天道虫は虫類で俳諧では夏の季語 古典連歌では使用例みあたらず、漢字臭を消すために「てんたう虫」の表記でいかが? さみどりは無季の語
*
皆様の連休はいかがでしたか?
by 連歌楽歳 (2015-05-07 19:41)
楽歳さま
夏の季語を「連句・俳句辞典」に探し、
連歌には例のない表現が多くなってしまいました。
表記の件、「天道虫」を「てんたう虫」に、どうぞよろしくお願いいたします。
by 遊香 (2015-05-07 22:22)
追伸
トップの写真は、何かの「目」でしょうか。
ブログを開けて、今までで一番びっくりしました!
鯉のぼりにしては、目が地味で小さいし…
いったい何でしょう???
by 遊香 (2015-05-07 22:30)
3折裏10に、
絵扇ごしに影をうかがひ 遊香
をいただき、
<3折裏11付け>
殿ばらが裾ひるがへす鞠の庭
遥かなる野末に消ゆる旅衣
人知れずわがまなざしの色めきて
*
殿ばらが裾ひるがへす鞠の庭
雑 人倫(殿ばら) 裾(衣類) 蹴鞠を楽しむ場所を鞠の庭と言います。競技場なのか居所の庭なのかよくわかりませんが、庭の字があるので居所にしておきます。
遥かなる野末に消ゆる旅衣
雑 旅 地儀(野) 衣類(衣)第5句に「たび人」がありますが、かろうじて5句をクリアしています。
人知れずわがまなざしの色めきて
雑 前句との続きだと、恋の句でしょうか 人倫(人、わが)
by 連歌楽歳 (2015-05-11 12:18)
楽歳さま
写真のタネ明かしを、ありがとうございました。
なるほど、ドコモダケの目でしたか!
「まなざしの…」の付句を併せ読み、頬がゆるみました(笑)。
by 遊香 (2015-05-11 18:14)
楽歳様
台風は、大きな被害を残さず去ったようでいいお天気です。それにしても箱根がどうなるのか、ネパールも再度の地震、岩手も・・何だか地球が怒っているような気がしてなりません。
楽歳様の
殿ばらが裾ひうるがえす毬の庭
をいただきます。以前、埼玉の博物館で蹴鞠保存会の方と一緒に試みたことがありました。実は、全くボールに触れられなかったのですが。
けふ履き初めのやはらかき沓
三人集へばはしたなき声
匠の技にけふは見えず
相変わらずの拙い句で申し訳ありません。
どうぞよろしくご指導くださいませ。
by 路花 (2015-05-13 16:05)
<3折裏12付け>
けふ履き初めのやはらかき沓
雑 けふ(今日)は一座2句もの)沓は履き物
三人集へばはしたなき声
雑 人倫 数詞
匠の技にけふは見えず
雑 人倫 けふは2句もの 下7「けふは見えず」は1音足りないようです。何かぬけてませんか?
by 連歌楽歳 (2015-05-13 21:40)
楽歳様
付け句の三番目、「けふは見えず」は「まみえず」と読んでいただきたいと思ったのですが。
三句ともすべて蹴鞠からの連想で、蛇足を申し上げてしまえば、「今のサッカーとは違って、蹴鞠には騒がしい応援などはないのですが、それでも、女御や侍女らの中には、お目当ての殿御もいて・・・」という説明を、保存会の方から聞いたのです。また、その時は、失礼ながらあまりお上手でなく、毬があらぬ方向に飛んだりしたのですが、「今日はエースが欠席で」と。
by 路花 (2015-05-14 07:18)
路花さま
失礼しました。辞書を開くと、「見え=まみえ」とありました。
楽歳
by 連歌楽歳 (2015-05-14 10:52)
宗匠さま
いよいよ風鈴の季節ですね。
昨夜など プレ熱帯夜のおもむき 寒さにも暑さにも潮垂れ勝ちの
不甲斐なきわが身なりけり でございました。
いつもながらの楽しいお写真 有り難うございました。
扨 折端になりましょうか?
三人集へばはしたなき声 路花さま を頂こうと存じますが
折端振りなるものがございますでしょうか? 万が一の場合
けふ履き初めのやはらかき沓 路花さま にてお願い致します
付け
ものがたり(物語)(もの語る)さても雨夜の品定め
しら峯の祟りかいたう(いたく)渇きたる
思ふとも思いのほかの通せんぼ(通せん坊)(知らぬふり)
くはだての源辿るたふのみね(多武峰)
みやこをばあらぬ噂の風たちて(嵐たち)
愛犬の調子わるく明るい転じになりません。
何卒よろしくお導きください。
今日も暑くなりそう~ 皆さまお大切に~
by 羽衣 (2015-05-15 13:49)
お犬様もお大事に。
ものがたり(物語)(もの語る)さても雨夜の品定め
雑 夜分 降物(ただ雨とすれば一座一句物で、すでに2折裏第6で出ていますが、「雨夜」という熟語は別の一座一句物に指定されています) 本説・源氏物語 「ものがたり」がよろしいかと存じます。「ものがたりさても雨夜の品定め」
しら峯の祟りかいたう(いたく)渇きたる
雑 「しら峯」は崇徳院のお墓がある香川の白峯寺か、崇徳院ゆかりの京都の白峯神社かの何れかでしょう。怨念の強さは同じでしょうが、釈教と神祇の違いが出てきます。京都の神社は蹴鞠や各種球技の守護神とされていますので、打越の「鞠の庭」と気分的に障ります。四国の寺ということにしましょう。釈教。崇徳院のたたりという落語風の因果話が匂いますので、硬さの残る「いたく」より「いたう」の方がよろしいかと思います。「しら峯の祟りかいたう渇きたる」
思ふとも思いのほかの通せんぼ(通せん坊)(知らぬふり)
雑 思ふは恋の常套語で句意も恋模様 「通せん坊」は民話風に人倫とし恋の邪魔者と解した方が楽しそうですね。「思ふとも思ひのほかの通せん坊」
くはだての源辿るたふのみね(多武峰)
雑 名所 山類 本説・大化改新 ちょうど今頃、多武峰・談山神社あたりは緑のきれいなころでしょう。漢字で多武峰がよろしいかと存じます
みやこをばあらぬ噂の風たちて(嵐たち)
雑 みやこは三句もの(只1、名所1、旅1)で国郡 風は吹物、嵐なら吹物で一座一句物 風評ということで風にしましょう。恋の風評ということで、付け句によっては恋の句。「みやこをばあらぬ噂の風たちて」
by 連歌楽歳 (2015-05-15 20:52)
訂正
先の句材分析で「通せん坊」を民話風の人倫ととる提案をしましたが、2句前の「殿ばら」と人倫打越になります。「障害物」と受け取ることにしましょう。
by 連歌楽歳 (2015-05-15 21:18)
宗匠さま
明快なご教示 有り難うござました。
只今 大変な思い違いに気づきました。まだ折端ではなかった様で
誠に失礼致しました。旧仮名もひとつ直し忘れ(思ひ)
いつもながらのおっちょこちょい どうしようもないようで。(がっくり!)
ご寛容のほど 誠に恐縮致しおります。
by 羽衣 (2015-05-15 22:29)
夢梯さまから、次の3折裏13治定、同14付け句をいただきました。
*
行く手遮るからたちの棘 夢梯
頼みををかくるかささぎの羽
河波暗く渡る瀬もなき
渡らふ鳥を羨ましとぞ見る
せめてわたらむ夢の浮橋
涙の川に浮き沈みして
*
行く手遮るからたちの棘 夢梯
雑 「うきひとを枳殻垣より…」という恋の句なのでしょうが、残念、からたちの5句前に柿若葉があります(木と木は5句隔てる)
頼みをかくるかささぎの羽
秋 鳥類(かささぎは俳諧で秋) かささぎは七夕のデートのおぜんだて役。恋の句
河波暗く渡る瀬もなき
雑 水辺体・用 鳥類 「ちはやぶる」の暗い方の連想で、恋の難局。次に完成型の恋の句が出れば、「思ふとも…」「…わたる瀬も無き」も恋の句として同時成立
渡らふ鳥を羨ましとぞ見る
雑 鳥類 前句との関係で、双方弱い恋の句となる
せめてわたらむ夢の浮橋
雑 橋は5句もの(只1、御階1、梯1、名所1、浮橋1) 夢は夜分 夢は恋の連想「恋ひわびてうち寝るなかに行きかよふ夢の直路はうつゝならなむ 藤原敏行・古今集」
涙の川に浮き沈みして
雑 涙の川は非水辺 涙は連歌では恋の句の常套句
by 連歌楽歳 (2015-05-22 23:44)
おやまあ、夢梯さま治定の羽衣様の句を書き忘れていました。
思ふとも思ひのほかの通せん坊 羽衣
たいへん失礼いたしました。お詫び申し上げます。
楽歳拝
by 連歌楽歳 (2015-05-23 01:48)
宗匠様、夢梯様、ご連衆の皆様
聖母月・聖五月と讃えられ、新樹や麦畑や薔薇苑を渡る爽やかな風が心地よい……筈の五月ですのに、真夏日がつづく異常な事態になっております。
ご無沙汰をいたしておりましたが、皆様、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
夢梯さまのお句から
頼みをかくるかささぎの羽
を頂戴いたしまして、遅くなりましたが、以下、拙付をお送りさせていただきます。
臥待にあだなき髪の耀ひて
徒臥の髪つくよみに耀へり
(つくよみは月読。漢字が続くので仮名にしました。)
星合の閨にただよふ残り香の
手弱女の水茎美しき梶の葉に
今はただ簾名残のおもかげに
千草様、宗匠様、ご一直のほど、よろしくお願い申し上げます。
如月
by 如月 (2015-05-28 23:47)